良かったコトにする

朝、パッと起きた。
いつもは寝覚めの良い子どもが起きる気配がないので、そうとう疲れちゃってるな…と思ってギリギリまで寝かせた。
家人が、明日飲み会なのだけど…と寝ぼけたことを朝から言うので、はぁー？と返事をしてしまった。この忙しい時に、飲み会で帰ってこないばかりか、帰宅までヤキモキさせられ、帰宅後はお酒の匂いを撒き散らされ、高いびきを聞かされる…と思うとげんなりする。ギリギリになって言われるのも、腹立たしい。
イラつきつつ送り出し、家事をしつつ、手帳タイムを過ごし、年末年始のあれこれの段取りをしていた。久々にゆっくり過ごした気がする。

宅配屋さんが来たので受け取り、冷蔵庫に食材をしまった。
クリスマス用のチキンが届き、例年より一回り大きくて冷凍室が一気にいっぱいのなったので、冷凍室整理を兼ねて、夕食は魚を食べることにした。カレイとシジミのアクアパッツァ。

次の本番に向けて子どもの楽器をメンテナンスに出そうと、楽器を工房へ持っていった。いつもの若手の職人さんではなく、何度か対応してくださった中堅の職人さんに頼んだ。
弓の毛換えと点検を頼んだ。面倒だなという対応で、あまり良い感じを受けなかった。工房を出て、次回から先生おすすめの工房に変えようかな…と考えつつ、近くの書店に寄った。
子どもへのプレゼント本を選ぼうと書架を眺めていたらお腹が空いたことに気付き、ランチをしようと思ったものの、遅いお昼の時間帯で混んでいたので諦めて帰宅した。

目玉焼きを焼いてご飯を食べていたら子どもが帰宅した。
子どもに今日の分の課題を伝え、私は子どもと入れ替わりで学校へ。
担任と話をし、顔見知り以上友達未満なママ友たちと話をしていたら、あっという間に1時間経っていて、慌てて帰宅した。

子どもはすっかり勉強を終えていたので、一緒に楽器を引き取りに出かけた。
途中で知り合いに出会い、また立ち話をした。今日はよく会話をしている。

工房に入ると、職人さんがピカピカになった弓を子どもに確認させてくれて、子どもが嬉しそうにしているのを見て、微笑んでくれたのがわかった。
あぁ、預けた時に面倒そうな対応だったのは、私が子どもの楽器だと言わずに分数器を預けたから、大人の私が使っていると勘違いされて怪訝な対応だったのかな、と想像した。
楽器ケースの不具合は工房ではなく楽器購入店へと言われたので、楽器購入店へ寄った。すると、ここのスタッフも子どもを見てニコニコ対応してくださった。修理のために預かることになるので代わりのケースを貸し出す、と言われたのだけれど、もう今の分数器も来月か再来月か春にはサイズアウト…という状態という話をして、とりあえずの応急処置をしてもらった。
子どもはズラーっと並ぶ楽器に見惚れていた。

帰宅して順番にお風呂に入った。
お風呂から上がって子どもの課題の丸付けをし、練習をした。
子どもは松脂を少し塗っては弾いて、まだ足りませーん、とスカスカな音を楽しみ始めてしまい、痺れを切れして私が塗りこんで、練習曲を1曲弾かせては塗りこんで…と繰り返し、どうにか練習を始められる状態になった。
こういうアナログな作業をしていると、手間がかかること、非効率なこと、高コストなことが、まぁそれもアリか…と思えてくる。

コスパ、タイパと真逆な世界。コスパとタイパを考えるなら、松脂が不要な弓が開発されるべきだし、バイオリンはもっと弾きやすい楽器になるはずだ。そもそも、この世界にバイオリニストなんて100人もいれば十分だろうし、その100人がありとあらゆる曲を録音してYoutubeにアップして、それを音響設備バッチリのホールで2倍速にして流せば良い。もっと言うなら、音楽はヘッドホンでのみ楽しむ文化にしちゃえば騒音問題もホールのマナー問題も拍手のタイミング問題も一気に解決する。

適当な練習で切り上げようとするので、子どもに次の本番までのスケジュールを説明し、今日の練習の必要性を話した。理詰めな説得。

頭の片隅でそりゃそうよねぇ…と私は思う。
昨日、本番を終えてホッとして遊びたいでしょうよ。メンテナンス後の楽器のなんとなくしっくりいかない感じを解消するほどのエネルギーがないのも理解できるし。
でも、本人が次の本番も出たい！と言って周りの大人たちはそれに向けてあれこれ調整して、もうゴール間近なところまで来ているのだから、練習するしかないのだ。

楽器を続ける、やりがいとか達成感を持てるように配慮しつつ本人の意思を尊重して親が伴走する、ということの中には、こんな風に日常の中に厄介な手間暇かかることがゴロゴロ転がっている。

結局、1時間半練習して時間切れ。

家人が途中で帰宅してアクアパッツァを仕上げてくれ、夕食を食べた。
子どもが寝室に引き上げたタイミングで私もベッドでちょっと横になって、ちょっとだけ目を閉じたら寝てしまっていた。
気付くと日付が変わっていた。
慌てて起きて、リビングでPCに向かう家人に学校提出書類の入力を頼み、あれこれ取り留めのない話をした。話をしているとお腹が空いてきて、ちょっとだけつまみつつハイボールを飲んだ。

盛りだくさんな1日だった。特にイベントはないのに忙しい日。
学校での懇談も、ママトークも、楽器のメンテナンスも、子どもとの練習も、これで良かったのだ！と思う。
ざっくり良かったコトにして、明日へ進む。