命いっぱいに生きる

(第31回致知教師木鶏会の感想文)

天才キッズクラブ社長,田中孝太郎氏の言葉。
私も,いつ死んでもいいくらいに目の前の子どもたちに命いっぱい,日々全力で向き合い続けたいですし,「ワクワク」「笑顔」というシンプルな教えも愚直に実践し続けたい。そうすれば子どもたち,自分自身の人生も必ずよくなると思うんです。
「ワクワク」「笑顔」する教育実践を命いっぱいに続けていくことには誰もが共感するであろう。しかし,これらは数値で測れるものではない。今後,日本はますます多様性社会に向かっていく。多様な個性を持った全ての子どもたちもワクワクできるような教育にしていくためには,計算ができるようになる,楽しい行事があるというような枝葉の部分の前に,まず子どもたちがワクワクして学校生活を過ごしているビジョンを持つことが重要であると考える。
山口周氏は,経営における「4つの美意識」の一つに次をあげている。
従業員や取引先の心を掴み,ワクワクさせるような「ビジョンの美意識」
これは企業経営の視点であるが,山口氏もここにワクワクというワードを入れているのがとても興味深い。取引先より従業員が先にあることもとても意味があることだと考える。上記の氏の言葉を学校現場に置き換えると以下のようになる。
職員や児童・保護者・地域の方々の心を掴み,ワクワクさせるような「ビジョンの美意識」
では,「ビジョンの美意識」とは何であろうか。それは,ビジョンに「望ましい状態」が描かれ,「現在の状態」との差が見られるものであると考える。その差の中に誰もが問題を感じ,個々の得意分野を生かして問題を解決したいという思いを持てるものがあるかということである。
今,教頭という立場で校長の学校経営ビジョンを,どのようにすれば皆に美意識を含めて共有化させることができるか思案中である。その一手段が「ビジョンの映像化」。文章・図示化されている学校経営ビジョンを読み深め,校長だけでなく,職員の思いも取り入れながら映像化し,自分たちのものにしていく。住田昌治氏は,「第3回学校経営を学ぶ会」において,職員面談を未来比率80%で,校長が持つ知識・アイデアよりも様々な年代の教職員から出る知識・アイデアに比重をかけていると話している。
先週,本校ではそれぞれの職員が学校経営目標からイメージする子どもたちの望ましい姿を映像的に話し合わせた。文章による学校経営ビジョンはどうしても読んだ人の経験の域を超えてイメージすることはできないが,映像はその域を超えて広がっていく。
これら活動は他校に例はなく,大変な作業になるであろう。田中氏の師である西田文郎氏の言葉。
「どう死にたいかを考えることで,自分がどう生きるかが決まってくる」
正直,私にはまだ死を意識する域には達していないが,ここでいう死を「覚悟」と置き換えて考える。教頭という管理職である「覚悟」を,今の立場でできる命いっぱいの活動で示していきたい。

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