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花丸恵の食べたり呑んだり作ったり

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自分が書いた食べ物やお酒などに関するエッセイをまとめました。 食べた感想だけでなく、食べ物に関して疑問や思ったことなども書いています。 今後もどんどん追加していきます。 食いしん…
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#イチオシのおいしい一品

辛さ炸裂!「すりだね」を作る。

 私は辛いものが好きだ。  日常生活はできるだけ刺激なく、安穏と暮らしたいと思っているのだが、時折、舌には強烈な刺激を求めてしまう。中学生になった頃には既に、そんな刺激を求めていた記憶がある。  かつて「とんがらC」という、カプサイシン入りの飲み物があったのをご存じだろうか。1999年頃に大塚製薬が発売した飲料水で、飲むと甘いのに舌に少し辛さが残るような、不思議な味わいの飲み物だった。家族はマズイと言って二度と手を出さなかったが、私はその辛味が気に入り、入手不可能になるまで

ビタミンちくわはツレナイやつ

 私は埼玉県民である。  スーパーが点在し、コンビニもあり、徒歩圏内である程度の食べ物や日用品を揃えることができる。大変ありがたい環境下で暮らしていると自負してはいるが、そんな埼玉の暮らしに100%満足しているかと問われれば、そこは「否」と答えなければならない。  例えば、エコバックをぶら下げて買い物に行く。  そろそろ寒くなってきたから、おでんもいいねぇ、などと思いながら、練り物売り場に立ち寄る。さつま揚げ、はんぺん、ゴボウ巻き、馴染みのおでん種に視線を送り、チラリとちく

頼りない食パン

 パンに頼りがいを求める人がいるかはわからないが、見るからに頼りないパンがある。  初めてスーパーでそのパンを見かけたとき、学校の朝礼で貧血になって倒れてしまう細面の男の子を連想してしまった。  耳まで真っ白なパンで、事情を知らない人が見れば、生焼けかと目を疑ってしまうだろう。  そのパンの名を、ふんわり食パンという。  このふんわり食パン。  特売ともなれば、何段も積み重ねられて売り場に並ぶのだが、三段も重ねると、一番下のパン達は重みに耐えかね、いささか苦しそうに見え