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とうとう大晦日。 差し迫るというよりも、真隣にぴったり2024年が座って待っている状態だ。 「もうちょっと待ってくれない?」 と頼んでみても、辰のセーターを着た2024年は笑顔で首を振っている。どうやら待ってはくれないようだ。 ならば来い! 来るんだ2024年! さぁ! 私が両手を広げるも、 「まだ、ちょっとあるから……」 と言って2024年は、この胸に飛び込んできてはくれない。 時間厳守。2024年、時間をきちんと守れる良い子である。 さて。 大
餅は、インスタント食品だ。 密かに、私はそう思っている。確かに、カップ麺ほどの気軽さはないけれど、それでも餅は、常温保存ができて、焼けばすぐ食べられる便利な食材だと思う。 餅といえば、やはり正月を連想してしまうが、正月だけでなく、忙しいさなか、小腹を満たすのに、餅は案外、最適な食品でもある。 我が家は春夏秋冬問わず、年中、餅を常備している。 休日、私がぼんやり寝過ごしたりすると、夫が餅で飢えをしのいでいたりするし、朝早い勤務のときも、餅を焼けば、それこそ、お茶漬
ある日、餅を食べる私に向かって、母がこう言った。 「慌てずにゆっくり食べなさいよ。お餅で死ぬ人だっているんだから」 青天の霹靂とはまさにこのことで、 当時、10歳に満たない子供であった私は、餅で人が死ぬという事実に 驚きを通り越して恐怖を感じた。母に理由を聞くと、 「喉につまらせて息できなくなって死んじゃうのよ。 口開けて、掃除機で餅を吸い取って助かった人もいるらしいけどね。 苦しいわよ、絶対。だから、よく噛んで飲み込まないと危ないのよ」 一度は母の冗談かと疑ってみた