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私がそのスプーンを見たのは、映画「リトル・フォレスト」の冒頭シーン でのことだった。 とある田舎町で暮らす主人公のいち子は、梅雨の長雨に辟易としていた。鬱陶しいほどにまとわりつく湿気。そんな、水の中を漂うような湿度のせいで、台所に置いてあった木製の調理器具がカビてしまう。 大きな溜息をついた後、いち子は意を決して、室内を乾燥させるために薪ストーブを焚く。とはいうものの、そこは梅雨。太陽は出ていなくても、しっかり暑い。家中が乾くまではサウナのような暑さに耐えなければな