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クレイジーケンバンドの曲に『タイガー & ドラゴン』という歌がある。サビの部分で、ボーカルの横山剣さんが 「俺の話を聞け~。5分だけでもいい~」 演歌のようにこぶしを回し上げた後、 「貸した金の事など どうでもいいから~」 と歌は続く。 できることなら貸した金はキッチリ耳を揃えて返してほしいが、そんな事情を差し置いても、とにかく今は話を聞いてほしい。そういう気持ちが、私にもよくわかる。 どちらかといえば私は話したがりなほうだ。 思考の声は絶え間なく頭の中を流れ
夫に初めて会ったときのことを、今でも鮮明に憶えている。 後ろ姿で立っていて、顔が見えないにもかかわらず、何か見えざるものから「この人ですよ」と言われているような感覚があった。大袈裟だと笑われるかもしれないが、一瞬のうちに縁のようなものを人に感じたのは、後にも先にも、このときだけだ。 その縁は実を結び、一緒になって22年になる。 ずっと夫婦二人で暮らしてきた。子供はいない。そのせいで自責の念に苦しんだこともあったが、夫はそんな私を、何も言わずに見守ってくれた。 私
もし、長年連れ添った妻に、何の前触れもなく、「好き」などと言われたら、夫はどう思うだろうか。 近年、愛情はできるだけ伝えよう、という傾向が強くなってきている。しかし、日本人は元々、好きだの、愛してるだの言わない民族なのだ。アイラブユーを「月が綺麗ですね」と訳すような民族なのだ。そんな日本人が、ある日突然、長年連れ添った伴侶に 「好き」 などと言ったら、どうなるか。 もしや、浮気でもしてるんじゃないか! 急にご機嫌取りして、どこかで無駄遣いでもしてきたな! とい