シェア
・ショートストーリー・ 冬の日、団地の立ち並ぶ街中を、僕は一人歩いていた。 ヒューッと風が音を立て、耳の裏を通り抜ける。 ちょっと、コンビニのおでんでも買って食べようかな。 その風の冷たさに、思わずおでんが恋しくなってしまう。 僕は、日の短さを感じながら、駅に向かって歩いていた。 「わーーーーーーん!」 遠くで子供の泣く声が聞こえてくる。 張り裂けそうなその悲痛な声に、僕は声のする方を見た。 小さな男の子が、一人で泣いている