未知との遭遇

わたしたち地球人の中に宇宙人が紛れ込んでいるとオカルト雑誌で読んだことがある。そのときは、ふうん、そんなことがあるものかと思う程度だった。

ある時、他の子どもとは絶対的に雰囲気の違う子どもと出会った。

彼はスター・ウォーズをこよなく愛する小学3年生で、白目の存在を思い出せないほどに黒目がちなその目は、甘露煮のツヤツヤした黒豆みたいだった。

彼は積み木で何かの建物らしきものを作り上げ、それを破壊し、ケケケと笑った。

なんとなくなのだけれど、この子は宇宙人なのかもしれないと思った。

彼とふたりきりになった時、ドキドキする胸を押さえ、恐る恐る聞いてみた。


「ねえ、君は別の星からやってきたの?」

少年は顔を上げた。黒豆がきらりと光った。彼はゆっくりとうなずいた。

キターッ! 
わたしはネット民のように心の中で雄叫びをあげた。

アドレナリンが脳内を駆け巡る。
鼓動がドラムのように鳴り響く。
あの雑誌の記事は真実だったのだ。


「ど、どこから来たの」
 一瞬、時間が止まった。

それから、スローモーションのように彼の口が開かれた。

「コ、マ、バ」
「……?」
コマバ……、駒場!?

かくしてわたしは、二、三駅向こうからやってきたコマバ星人に遭遇したのであった。

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