武器図鑑【漫画あるある:特定のキャラが書いているように思わせるガイドブックの一部分の雰囲気】

ーはじめにー

私の名はシルベ。
この国のあらゆる武器を調べる書家である。

ここでは名のある武器について記載していきたい。

それらは作られたときから銘刀と呼ばれているものや、誰かが使うことで後天的に名が知れ渡ったものもある。

つまり。まだ何者でもない人が名を上げることにより、ここへ記載される可能性があるということである。


覇王ソード(初期)

覇王ヴァサラはじまりの一振り。
ソードというより頑丈な木の棒だ。
とある戦いにより折れてしまったが、伝説の始まりとして記載す。


覇王刀

現在の覇王ヴァサラの愛刀。
本来は軽く扱いやすいだけの所謂『使いやすい刀』だが、覇王が使えば天を割り、海を裂く。


虎月

伝説の人斬りが使いし銘刀。
この刀の素晴らしさを語るのにこの国の言葉では足りなすぎる。


人喰い道化(ピエトロ・ピエロ)

興味のある相手には抜群の切れ味を誇るが、興味のない相手はとことん切れない。
とてつもなくトリッキーかつ気紛れで気分屋な刀。
戦闘狂と組めば真価を発揮するだろう。
『国で一番使い勝手の悪い刀』と言える。


劉掌拳

秘伝の拳法。この拳法使えし者は五体全てを『銘刀』にすることができる。
もっとも、柔掌拳と剛掌拳を完璧に使いこなせたのは歴史上ただ一人だけではあるのだが…


赫灼炎舞

炎の使い手に好まれる銘刀。
赤黒い刀身に炎を模した柄。
使い手の熱い心に呼応し、切れ味も重さも変わっていく。
非常に持ちやすく
使い手は熱い心の持ち主が多い。


修羅

とある半妖の鬼の牙から作られた妖刀。
その半妖を想う力で使用者の好みの刀身へと変貌する。
刀身の色は真紅。柄も鍔もなく、柄のかわりに白布が巻かれた禍々しい見た目をしている。


薄刃蜉蝣

切れ味に特化した非常に薄い刃にも関わらず、製造過程にて間違えた素材が使われたことにより、逆に運良く折れにくい刀へと変貌したよくわからない刀…俺が使っているから『俺様刀:大吉』と名付けたぜ!!(上から七福が落書きしているため途中から読めない)


乙姫

国一番の造船所『乃亜造船』設立の際に記念品として贈られた刀。
波を模した青白い刃に、サファイアを加工して作られた錨の装飾。
瑪瑙(めのう)があしらわれた柄、鍔は水晶、刀身はプラチナとあらゆる高価な物が使われた『国で一番高価な刀』。
国中の商人の生涯年収を合わせても購入できないほどの金額を誇る。


宝刀・御神叢雲(ごしんのむらくも)

とある滅びた街に伝わる宝刀。
司祭の一族がヴァサラ総督に祈りを捧げるために祀っていた刀で、現在はその後継者であるオーサムという男が所持している。
全体的に白銀の刀で、その色合いと抜群の切れ味はまさに覇王ヴァサラを彷彿とさせる。


フィクサー

両刃でリーチの長い西洋大剣。
柄にゴツゴツとした厳つい装飾と、明らかに刀鍛冶が付けたものではないおびただしい返り血が特徴。
この刀を使うものは非業の死を遂げるというが、それは偽り。
この大剣が気に入った男が全員殺めて盗んだと言われている。


南無阿弥陀仏
刀身全体に奇妙なお経の書かれた刀。
おそらく僧侶のものだろうか、錫杖の輪のような装飾品があしらわれている。
刃から何匹もの妖怪を切り刻んだかのような臭いが立ち込める。


鋼鉄の処女(アイアン・メイデン)

空中に固定されたあらゆる武器を一斉に放つ妖術のようなもの。
その武器は『大量に出血し悶え苦しむが決して死なない』ように突き刺さるように工夫が施されており、なにか別の用途があると考えられる。


彪蹴拳

劉掌拳と対をなす足技主体の拳法。
とある拳神の永遠のライバルが使う。


針鐵蟲

柄は蚕から出る糸が乱雑に巻かれ、鍔の素材はゴキブリの羽で作られており、気持ち悪く黒光りする。
刀身は蟷螂の腕のように大きく湾曲し、至る所に蝉の抜け殻のデザインが施されている。
『国で一番醜い刀』


疒(やまいだれ)

全体的に紫色の毒々しい色をしており非常に軽く、振り回しやすい。
『病人でも扱える護身具』として大量生産された背景のあるふざけた刀。
これを愛用している人はほぼいないだろうと思えるほどのなまくら。


刀避行

あえて刀鍛冶の際に使われる油を拭わなかった刀。
刀身が油で覆われているため、鍔迫り合いはもちろん打ち合いすらまともにせず、逃げることを優先する腰抜けのための刀。


ロストヴァージン

緑色を基調とした優しい色合いの武器。
特筆すべきはその仕掛け、鍔の部分に引き金があり、切っ先から銃が撃てるいわゆる『仕込み銃剣』。
銃を撃つたびに先端の銃口から赤色の溶けた薬莢がドロリと地面に落ちる。


太陽神

太陽の国ヘリオスで使われるオレンジ色の刀。
元はただの刀だが、ここの国の女王が使うことでこの名がついた。
月からの有毒電波を防ぐためらしい国旗のマークが刀の柄の至る所に描かれている。


臑齧(すねかじり)

とある過保護な両親が刀鍛冶に作らせたオーダーメイドの使いやすい刀。
その過保護ぶりに引いてしまった刀鍛冶がついつけてしまった名前らしい。


A Perfect Sky(ア・パーフェクト・スカイ)

刀身が青い少し短めの刀だが、あまり切れ味も使い勝手も良くないが、非常に薄く軽い。
…というよりも本来は名もなき刀だが、とある少女が自分愛用のスケボーと同じ名前にしたようだ。


無題

ある楽器職人の遺作。
何の変哲もないギターだが『歌人のサイカ』が使うことで人々を魅了する楽器となる。
売れた後、一度とんでもないギターを作ってしまい信頼が地に落ちた楽器職人が最期に作った良質な音を奏でるギター。
名前をつける前に亡くなってしまったので『無題』
ギターの裏にはその楽器職人の昔の彼女が書いたらしい桜模様に、『信じてたこと正しかった』の文字が書かれている(元ネタ:amazarashi:無題)


極楽蝶花

やや細めの両刃。薄紅色、かつ鏡のようにすべてを映し出す刀身。
装飾品の類や、事細かな飾りは皆無。
そのようなシンプルな作りではあるものの、その美しさは往年のマリア王妃を彷彿とさせる。
『国で一番美しい刀』とされ、『極楽蝶花を求めて殺し合いが起こった』『異国の家宝』『実はそこまで美しくない』などの真偽不明の噂が数々流されるほど。


イガグリ

元ヴァサラ軍の隊長が自らの力で磁石のように相手の武器を吸い寄せ、力任せにぶん回すというもの。
私はこれをここに書き記すべきか非常に悩んだ…
これは戦闘方法や武器なのだろうか…


ダンザイ

身の丈以上の大剣で、刀身も太く、まさに『閻魔様』の刀と呼ぶにふさわしい。
非常に重く、振り回すことは愚か持ち上げることすら普通の人間には不可能に近いほどの重さと強度を誇る。
その分威力は絶大で、『国で一番破壊力のある刀』と呼ばれており、一振りで百人もの首が飛ぶと噂される。


この刀に関する詳細情報は一切残っていない。
折れずに誰かに使われていることを願うばかりだ。


円明(えんめい)

儚く揺らめくロウソクの灯のような優しいオレンジ色と、満月を模した鍔。
特筆すべきは鍔迫り合いの際の音。
強くぶつければ雷鳴のような轟音が鳴り響き、小さく撃ち合えばとある鳥のような鳴き声の音が戦場にこだまする。

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