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黄色いベスパの女。

あの、
ピンク色の髪をした、
ヘンな声の女が乗っている
バイクみたいなの。

あれが、ベスパ だ。

スクーターであるという事自体も
理解していなかった
大学時代。

リビングのテレビを独り占めできるという
最高時間は、
深夜であった。

渋谷のTSUTAYAで借りた
10本ぐらいのアニメのVHSを
息を潜めて、
ガン見していた。

時には、
声にならない
うれしい悲鳴を
振り回す右拳に込めたりして。

今思えば、
片道2時間かかる道のりを
よくもまぁVHSを10本も抱えて
行き来していたものだ。

もう一回言うけど、
VHSだからね。
DVDじゃないから。

今はムリ。

だって、
ネットがあるじゃない。

どうして『フリクリ』を手に取ったのか。

全然覚えていない。
GAINAX特集の棚に並んでいたのか?

大好きな貞本義行せんせいが
キャラデザしてたし、
OVAのカバーデザインがやたらカッコよかった、
と思ったことは覚えている。
(蛍光色の背景に銀色の線画だった。)

見始めてものの数秒で、
頭を全部持っていかれた気がした。

殴られたみたいって感じたのは、
作中で
主人公の小学生男児が、
あのピンク頭の女に
リッケンバッカーで
頭を思いっきり殴られるシーンがあったからだろか。。。

ギャグと
シリアスと
アニメと
演劇と
音楽と
パロディーの
ごたまぜスラップスティック。

くだらない下ネタから
宇宙規模正統派バトルアクションまでの振り幅に
胸を撃ち抜かれた。

ベスパを走らせるピンク頭は、
ハルハラハルコと名乗る宇宙人で、
傍若無人、
尊大不遜、
天上天下で
唯我独尊という四字熟語に
服を着せて歩いているような
ロックでキュートなキャラクターだった。

ナイスバディーで
頭の回転が早くて、
身のないことから、
指針になるようなことまで
喋る言葉全てが
きらきらしてるように
思えた。

『いつか、
いつか、
ベスパを買って、
ギターを背負って、
ハルコみたいに生きていきたい!!!!!』

と、強烈に思ったことを
今回の劇場版が始まった時に
急に鮮烈に思い出した。

どーーーーしても
1人で深夜に観に行きたくて、
出張先の博多の夜に
駅ナカの映画館で
レイトショーならぬミッドナイトショーを
観に行った。

初めての映画館はそれだけでわくわくしたし、
映画館内には4人しかいなくて、
最高だった。

銀幕の中に
ハルコが出てきた時の、
声にならない喜びの叫びは、
深夜のリビングで上げていたそれと
全然変わっていなくて、
自分で自分に笑ってしまった。

そしていま、
またハルコになりたいという気持ちを
沸々と煮えたぎらせているという
真性厨二病っぷり。

ベスパ貯金でも始めるか。

#エッセイ  
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#アニメとわたし
#わたしの8割はアニメで出来てる


しろくまʕ ・ω・ )はなまめとわし(*´ω`*)ヨシコンヌがお伝えしたい「かわいい」「おいしい」「たのしい」「愛しい」「すごい」ものについて、書いています。読んでくださってありがとうございます!