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未来を耕すためのデザイン

TAKT PROJECT 代表 吉泉聡さんが、武蔵野美術大学大学院の授業にゲストに来てくださいました。吉泉さんは、素材やテクノロジーの新たな可能性を提案する作品を発表し続けています。

昨年、ミラノサローネで初の大型個展を開催し、「glow ⇄ grow」という作品を発表。光で固まる樹脂をLEDで硬化させることでつららのように形を変えていく、美しい作品です。Webサイトには次のように書かれています。

Concept :
光る事で成長し、成長する事で光が変わる。

姿形を完成させるデザインではなく、機能が新たな機能を生んでいく、そのプロセス自体のデザインです。光で固まる樹脂を、プログラミングされた光を放つLEDで直接硬化、LED自体が姿を変えながら光り続けていきます。氷柱や鍾乳洞のように成長するその姿は、光に様々な表情を与え、そしてまた、光によって新たな姿を獲得し成長していきます。それは、自然の模倣ではありません。制御という人工的な操作に、自然の原理を取り込む人工と自然の融合のプロセスです。自然と人工、自律と制御、未完と完成といった、相反する様々な事柄をつなぐ存在。それらが作り出す、自然でも人工だけでもない新たな環境を、インスタレーションとして出現させました。

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素材や技術の新しい用途を見つけたい。企業の多くはその資産を活かしきれず、行き詰まっているように思います。TAKT PROJECTの作品は、その行き詰まり感に対する問いでもあります。「思索を忘れていないか」と。

吉泉さんのお話で印象に残っている言葉は「思索の試作」。つまり、作品は、可能性を思索し続けた結果の試作であるということです。

この記事のタイトル「未来を耕すためのデザイン」は、吉泉さんの講義のタイトルでもあります。思索を止めないことが、未来を耕すことである。吉泉さんからそんなメッセージを受け取りました。

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