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ホスピタリティが価値を生む

武蔵野美術大学大学院 クリエイティブリーダーシップ特論、今回のゲストは元・跡見女子大教授の松坂健さんです。月刊ホテル旅館の編集長を長らく務められ、2001年から大学教授として観光について教鞭をとられていました。

どんなお店が流行るのか

ハナラボでは、シェフが恋した塩尻野菜のスープという商品を自社で開発・販売しています。なので、松坂さんが「どんなお店が流行るのか」という話題を出したとき、身を乗り出して聞いていました。

「商品でファンになり、接客でファンになるのをやめる」

結局は、感じのいい従業員のいる、感じのいい店しか流行らない。価値創造されたものを生かすのは、人。なるほどなあと、オンラインショップであっても接客は丁寧にしなければと、気を引き締めました。

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以前は、PriceとQualityの相関関係で、価値が生まれていました。でも、今はそれだけではありません。

(Price + 購買のためにかかる費用 + Quality) × 快適さの相関関係

といいます。つまり、快適さ=ホスピタリティの有無が価値を左右するのです。もちろん、無愛想でも売れているお店はあります。上記の式に当てはめれば、PriceやQualityが突出して高いお店ですね。

ホテルのレストランにおいて、柔軟な対応は是か非か

次に、ある事例が紹介されました。

(資料が手元にないので、若干記憶があやふやですが)ホテルのレストランで、赤ちゃん連れのご夫婦がお客様としてやってきました。席に着いても赤ちゃんが泣き止まず、ご夫婦は途方に暮れています。周囲のお客様もそわそわしています。繁忙期でお店は忙しく、人手も不足しており余裕がありません。

そのとき、アルバイトの女性が「赤ちゃんの預かりますから、短い時間で食べられるカレーなどを召し上がってはどうですか?」と声をかけます。ご夫婦もほかのお客様も救われた様子で、拍手が起きました。

さて、このアルバイトの女性の対応はただしいと思いますか?それとも間違っていると思いますか?

答えを言ってしまうと、ホテルの従業員としては完全にNGだそうです。

アルバイトの女性は素晴らしいホスピタリティの持ち主です。でも、ホテル側の視点で考えると、①赤ちゃんを預かって何かあったら責任が取れない ②人手不足で他のお客様に迷惑をかける可能性があります。さらに、赤ちゃんを連れたご夫婦も急いで食事をしたくなかったかもしれません。

私は正しい行動だと思ったのですが・・・要はホスピタリティもケースバイケース。判断が難しいところです。でも、私なら、彼女のようなタイプを雇いたいと思います。主体的に考え判断し行動できる、素晴らしい人材だと思いませんか?

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