南海地震に関する考察
現在、日本各地で大きな地震が多発しており、日々対策について検討されています。しかし、地震の発生時期を正確に把握することは難しいため、未然に予測し、早急な対処 / 対応することが大きな課題となっています。
特に南海地震は、数百年に一度発生すると言われており、10月にも九州地方で震度5弱の地震が発生しました。
本記事では、この南海地震についてどのような地震なのか、なぜ発生するのか、いつ発生するのか、発生した時にどのような対処を行う必要があるのか説明します。
南海地震とは
概要
南海地震とは、四国沖から静岡の駿河湾に至る太平洋沿岸(南海トラフ沿い)の地域で発生する地震のことを言います。この沿岸を震源とした大地震が数百年に一度繰り返し発生していることは良く知られており、近年では昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)がこれに当たります。
南海地震は、東海地方から四国、九州にかけて広い範囲で発生する可能性が高く、規模はマグネチュード8〜9という非常に大きな地震が予測されています。特に西日本〜東日本の太平洋側では最大震度7の強い揺れや10メートルを超える大津波、本州の内陸や日本海側のエリアでは震度4〜6が予想されており、大規模な家屋の倒壊や火災が発生し、多くの人命が危険にさらされる可能性があります。
歴史
南海地震は世界的に有名な地震であり、過去1000年間以上の記録が歴史記録として残されています。
特に被害の大きかった事例は1707年に発生した宝永地震であり、遠州灘沖と紀伊半島沖で2つの巨大地震が同時に起こりました。地震の揺れは、関東から九州に至る広い範囲で発生し、特に四国の高知では高知では震度6以上の地震が発生しました。津波は徳島県から高知県沿岸で5〜8メートルに達し、紀伊半島から九州までの太平洋沿岸や瀬戸内海を襲いました。
次に起こる南海地震について
直近で発生したなんか地震(1946年の昭和南海地震)から約80年が経ちますが、次に起こる南海地震はどれぐらいの規模になるのでしょうか。
気象庁の情報では、南海地震が発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域で震度6強から6弱の強い揺れが発生すると想定されています。
また、東京都中心とした関東地方では、最大震度5強の地震が発生し、東日本大震災よりも被害範囲が大きい地震になると言われています。
日本経済全体に及ぼす影響度も計り知れません。地震発生源である静岡県から宮崎県にかけての一部は「太平洋ベルト」と重なっており、この地域には日本人口の約半分が暮らし、工業製品の出荷額はおよそ7割を占めます。
NHKの情報によると、この地震でうける経済的被害額は最大で214兆円に上ると言われており、これは東日本大震災の被害の約10倍、日本の国家予算の2倍にもなります。
南海地震によって「行政の支援が及ばなくなる」「避難所に収容しきれない避難者が多数発生」などの2次被害も想定されており、名古屋大学名誉教授である福和教授によると、「これらのことを念頭に置いた上で、自分の力で生き残っていくことが大切」と述べています。
南海地震の考察
これほどの被害が想定される南海地震ですが、私自身2つほど、注意すべき懸念点があると思っています。
風評被害による人為的な被害
8月8日に数回の地震が発生したことで、南海地震トラフ臨時情報(巨大地震中)が発表されました。実際にJRが一部の路線で特急の運行を止めたり、NHKが災害対応画面の放送を続けるなどの措置がされましたが、その一方で風評被害に苦しまれた方もいます。
例えば、いる地域のホテルが8月夜から9日朝8時までに、予約の約1割がキャンセルになったり、ビーチ等を閉鎖してしまったりの過剰な行動が目立ったと思います。
和歌山県白浜町では、南海地震トラフ臨時情報(巨大地震中)による過剰な対応によって、約5億円の被害が発生しています。
なぜ、このような状態になったのかについては色々な意見はありますが、まず1つに情報の少なさがあります。
多くの判断をしなければならない地方自治体、民間企業にとって、必要なものは判断するに値する情報を持ちうることです。その情報を持ちうる組織は気象庁をはじめとした内閣府であり、日頃から情報発信を行い、細かい対策を記載したガイドラインを公開するなどの判断に困らない情報を提供する必要があります。
2つ目は我々一人一人が意識を持って、地震に向き合うことが必要です。現在はX、Youtube等のSMSで比較的簡単に情報を集めることができます。(情報の質は置いておきます)ただ、流れるニュースを見るだけではなく、今何が起こっていて、どのような対応が必要なのか意識することが必要です。
地震が起きないことの心理的安全性
2011年に発生した東日本大震災では、津波と地震で1万8千人にも犠牲者を出し、特に岩手県石巻市では、被災地最大の3千人超の死者を出しました。特質すべき点として、津波の逃げ遅れが多く発生しており、その原因として、安心感と油断があったそうです。もちろん、不幸なことではありますが、この安心感と油断こそが地震による被害を大きくされているのではないのかと思います。
日本全国で地震は発生するものではあるものの、どこか自分は大丈夫だろう。その気持ちを一度忘れて、いつ起きても大丈夫なように備えておく必要があるのではないかと思っています。
まとめ
まとめると以下になります。
南海地震とは、四国沖から静岡の駿河湾に至る太平洋沿岸(南海トラフ沿い)の地域で発生する地震のこと
南海地震は定期的に発生しており、次に発生するであろう地震は震度6弱〜震度7の地震が発生すると思われる。
経済的な損失も大きいと言われており、一人一人が「自分の力で生き残っていく」意識が必要になる
風評被害による人為的な被害、地震が起きないことの心理的安全性に考慮しながら、日々地震について関心を持つことが大切
皆様も是非、参考にして下さい。
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