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【キャリア】退職願を書いた日
昨日、退職願を書いた。
旦那が「ついに!」とわくわく眺めていた。
上司がくれた会社指定の文言。
直筆で書くように言われたから、テンプレートをなぞるようにただひたすらに書いてみた。
「一身上の都合により……」
よく聞く文字の流れを、初めて文章として書いてみる。
どんな会社でも退職願は書くものなのかな?
そんな文化はドラマのなかの誰かのストーリーだと思ってた。
このために買った便箋はちょっとおしゃれなデザインで、なぜだか左端が欠けている。
この紙でいいの?
このサイズで合ってるの?
旦那が興味津々で聞いてくる。
そんなの初めて書くからわからないよ!
2人でニタニタしながら、書き上がった「退職願」を見つめてみる。
封筒あったっけ?
せっかくだから、結婚のお祝いで貰ったご祝儀袋の中袋でいいんじゃない?
大切にとっておいたお祝いの気持ちが溢れる幸せな袋たちをゴソゴソと漁る。
誰かが宛名と金額を書くことを忘れた中袋を見つけ、これに入れようと端の欠けた便箋を三つ折りにする。幸せな再利用だ。
「できた!!」
無性にうきうきしていた。
9年間、楽しかったなぁー。色々あったなぁー。
「一身上の都合」という言葉の厚みを感じる。
直筆の名前は1月から新しくなった苗字。会社では旧姓のままだったから、なんだか別人の「退職願」を書いてしまったようだった。
これまた見慣れないフルネームの実印を押す。
おぉ、なんだかそれっぽい。
こんなに清々しい気持ちで「退職願」を書く日がくるとは……。ここまで足掻いて、もがいてどうにか会社に居続けることができないか、泣きじゃくった日も無駄ではなかった。
9年間、私を今の私にしてくれてありがとう。私は、この会社を卒業します。
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