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図工:紙コップロケット(小3-中2)

今回は、今日実際にやった図工の授業の内容を!

基本的に、授業やって!とか、子ども達になんかして!は2秒前に言われて、即実践スタイルなのですが、(笑)
今日の授業に関してはちゃんと前日に、“明日の朝イチ図工の授業をやってほしい!”と言ってくれたので、それなりに教材を準備することができました!

そして任された授業をするクラスは、日本で言う小学校3年生から中学校2年生のまあまあハードなやんちゃクラス。(笑)
この施設、基本的に異年齢のクラス編成なので、9歳から14歳が同じ授業を受けています。こちらの詳細はまた今度。
クラスには、椅子になんて座らないぜ!授業楽しくないから外でお菓子たべてくるぜ!な子ども達もいて、男女関係なくすぐに殴り合いのけんかが勃発します。(笑)
でも、とってもたのしいクラス。そしてやりがいのあるクラス!!!(笑)

ここからは長くなるけれど、真面目なお話。

**まず、今日の授業のテーマは....

“つくる”ってたのしい!**

この施設では学年が上がるにつれて製作の授業がメインとなり、授業の中で作ったものを自分たちで外部へ売りに行き、お金を得る時間もあります。子どもたちの卒業後の進路についてはまだ詳しく聞けていませんが、モノを作ってお金を得るような職人的な仕事に就く子も少なからずいると思います。
なにかモノを作る時、“本当はやりたくないのになあ、楽しくないなあ”なんて思いながら、嫌々モノを作るのはすごく悲しいことだし、せっかくだったら楽しくできたら一石二鳥だし、きっと“モノを買う人”にも“モノを作った人のキモチ”って伝わるんじゃないかなあ。と思います。
なので、子ども達が小さなうちから“モノをつくるってたのしい!”と少しでも感じてくれるといいなあ!と思い、このテーマにしました。

今回は販売できるようなものではなく、自分で作って自分で遊べるおもちゃを作りました。“誰かのためにモノつくる”という将来を見据えて、まずは“自分のために、自分の楽しさの為にモノをつくる”というステップ経て、“つくるたのしさ”を感じてくれたらいいなあ!

そして実際に作ったものは...

ゴムの力で飛ぶ紙コップロケット!

(写真は後で載せます!ググったら作り方でてきます!(笑))

工程もそんなに難しくなく、でも遊び方もたくさんあるし、なにより授業の持って行き方によっては理科の授業にもなる!(笑)

**そして、そのテーマをもとに

・ターゲット行動(子ども達の引き出したかった行動)と、
・そのターゲット行動を引き出す為に工夫したことと、
・その結果(授業内での実際の子ども達の行動)
をターゲット行動別に写真入りでまとめます**!

ざっくり大きなターゲットは、ありとあらゆることのアセスメント(今、何ができて、何ができないのかを調べる!)!

といいつつも、特に知りたかったことは...

・自分の作りたいものを作ることができるか。

以前、簡単な図形や絵をお手本を真似して書くことはできていたので、今回は、ただお手本通りに作るのではなく、自分の作りたいものをイメージして作ることが、どの程度できるのかアセスメントを取りました。将来モノをつくる仕事に就くと仮定すると、想像力だったり、イメージする事は結構大切なのではないか!という考えからこちらは隠れメインテーマでした。

今回子どもたちはこのおもちゃを作るのが初めてだったので、”子ども達の中ではじめに完成品を見てのイメージをもって取り組んでほしかった”、という理由と、
”作る過程の見通しをもって取り組んでほしかった”という理由から、一応お手本を作っていっていたのですが、
実際つくる場面になると、子ども達もれなく全員が「先生!ロケット書けないから僕の紙にも書いて!」となりました。
これは今後の課題だなあ。私の提示ミスでもあったけれど、今回は“先生のを真似するんじゃなくてみんなの好きなものを作ってほしい”という事を伝えた上で、子ども達と話し合い、 “色はお手本を見ずに自分の好きな色で作る”という結果に落ち着きました。
他の授業に関しても基本的に子ども達は受け身で、指示待ちになっていることが多いので、主体性や自主性みたいな事は学年問わず子どもたち全員の課題かなあ...?

・微細運動のアセスメント
手先を使った課題にどこまで取り組むことができるのか。例えば、縦5cmのちいさめな紙に絵を描けるか。紙コップに1cm程度の切り込みを入れる際、はさみでおもいきり“ジャキッッ!”と切るのではなく、1cmで止めることができるか。等々...

こちらに関しては、まだアセスメントが取り切れていなかった、という事もありましたが、完全なる私の提示ミス!ほとんどの子は、まあまあ!いい感じ!でした。が、一番年下の男の子ひとりが、自分の思ったように書けなかったようで、私の下書きロケットから色塗りの際に色がはみ出してしまい、“あーあ!はみ出た!もうかっこよくない!もうしない!”となり泣き出してしまいました。「先生はかっこいいとおもうよ!」とかいろいろ声掛けで試みましたが、表情は曇ったまま。何とか泣き止んだ後も、色鉛筆も握らない!先生塗ってよ!といった感じになったので、一段階レベルを下げて、“じゃあ、先生が色塗るから、何色がいいかは自分で選んでよ!”と交渉した結果、何とか最後まで作り切ることができました。そして遊ぶときになると、楽しくなったようで自分のロケットで思い切り飛ばして、遊び倒してました。(笑)

そして急遽授業開始直前にほりこんだターゲットがひとつ。
・着席課題に何分間取り組むことができるのか。
表面上だけでしか考えず、この行動をターゲットにほりこんでしまったけれども、このクラスの担任の先生、とにかく毎日「おこっと!!!!(座って!!!!)」と連呼し、「はあ...」とため息をついています。このままではきっと先生も、子ども達もしんどい。

先生の提示方法も変えなければいけないけれども、子ども達にも頑張ってもらうことがある!と思い、急遽、着席課題のアセスメントを入れました。
結果は、先生サイドの提示の方法さえ変えれば、
一旦は子ども達は40分程度着席課題に取り組めることがわかりました!
その為に今日取り入れたプロンプト(補助、ヒント)は、①見通しの視覚化と、②席を離れる事に関する代替行動を決める、ということ。

① 見通しの可視化 に関しては...
あくまでまだ仮定の段階ですが、子ども達が席を離れる理由は大きく2つ。
先生に聞いてほしい話があるから、と、ただただ体を動かしたいから。
まず、私が話を始める前に、「今から先生3つお話しするね、もしお話したいことがあったら先生のお話の後、4番目に聞くからね」と伝えておくことで、全員椅子に座って話を最後まで聞いてくれていました。
みんなも話したいことがあるように、先生も話したいことがある。そして、具体的にいついつにみんなの話はちゃんと聞くよ。と事前に伝えておくことで、子ども達の中で、“このあと話を聞いてもらえる”と安心して話を聞くことができたのかな?と思います。

そして少し話がずれますが、1度説明した製作の工程をすこし時間がたった後で“あれ?次なんだったけ?”となった際、子ども達が自分で気づいて動けるように、とっても雑ですが簡単な作り方表も作っていました。(下の写真)
これがあると、子ども達が”あれ?色鉛筆で絵描いた後どうするんだっけ?”となった時、自分たちでホワイトボードを見て、”あ!のりだった!”と自分で気づくことができます。誰かに頼ることも大切ですが、自分でできることは極力自分の力でやってもらう、というスタンスです。

そして、話を戻して、ただただ体を動かしたい!という気持ちが故に、席を離れてしまう行動に関しては、授業の前に教室内でおもいっきり体操をして、少しだけ欲求を満たしてもらいました。このクラスの子ども達はみんなとにかく運動が好き。けれど、この施設には大きなグラウンドも体育館もないので、普段施設内でおもいきり体を動かすことはほとんどありません。というかできません。その為、運動して発散する方法は今後考えていかなければ...

② 席を離れることに関する代替行動を決める に関しては...
現状では子ども達が席を離れると、ただただ先生に「ダメでしょ!!!座りなさ――――い!!!」と言われるのみ。これでは、なぜ席を離れたらいけないのか、わからない。そして、ダメ!と言われても、じゃあ先生に聞いてほしい話がある時、どうしたらいいのかわからない。
なので、これまた私が話を始める前に、「お椅子から立って違うところ見てたら、作り方わからなくなって、みんなと楽しく遊べなくなるよね。だから、お椅子に座って先生のお話聞いてね。もし、席を離れたいときは、まず手を挙げて先生に聞いてからにしてほしいな」と伝えました。今日は見通しも立っていたためか途中で席を離れる子供はいなかったので、この方法が子ども達にあっているのか、はたまたもっと違う方法もあるかもしれないので、これに関してはこれからも要アセスメント!

ほかにも個人的にちっちゃな配慮をたくさんしたつもりなのですが、全部書き起こすと、何時間もかかりそう。(笑)
ぶわーーーーーーーーーーっとまとめたので、はちゃめちゃな文章ですが、とりあえず今日の自分の反省を兼ねたまとめでした。

なにせ、一番大きな反省は、ついつい癖で日本と同じように授業をしてしまいますが、
チュニジアはアラビア語が公用語です。アラビア語は右からの横書きです。(笑) どうしてもホワイトボードの左側に立って、左側から書き始めてしまう癖がついているので、早急に治さねば... (笑)