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松竹氏処分の核心は何か

党首公選制の主張を外部で行ったり分派活動が規約違反ということで処分され、志位委員長の長期在任をもって独裁的と言うマスメディアの「共産党攻撃」と一緒という指摘もあった。共産党からは異論ではなく、外部から「突然」攻撃したから、除名処分したと。これへの批判は結社の自由への攻撃だと。志位委員長が朝日に猛反論していた。これにもさらなる批判が。

そんな中、2月10日の田村副委員長・政策委員長の会見では、党綱領の核心である日米安保廃棄から日米安保堅持へと主張を変えようとすることへの批判も強調されたように思う。

田村さんの会見の方が、松竹問題へのもやもやがスッキリした党員も多いようである。しかし、共産党が政権入りした場合、安保容認、自衛隊は合憲という政府判断に従うという志位委員長の発言や共産党の選挙政策は、みんな納得できているかという問題。どういう議論が常任幹部会であってそういう表明になったのか、説明が必要な案件だと思うのですが、「突然」表明され驚いた方もいたと思うんですね。総括でも深い言及はなかった。

だったら、もともとの考え方を変えて、9条を守る闘いを優位に進めていこうというのも、幅広い人の結集を願う側からは出てくるでしょう。幅広い人の結集が松竹氏の行動の原動力であるわけですから、党内に残り離党せずに主張したことはこういったこともあると考えますが。

それでも、原理原則で松竹氏の主張を攻撃と言うならば、私は野党共闘なんて撤回すればいいと思う。主張の異なる野党と共闘して政権を交代して、政権入りを目指すなんてやっぱり虫のいい話なのではと。

松竹氏の主張のみを処分することは、この間表明してきた共産党の言動と何が違うのかということや、そのことを整理せず選挙のたびに表明するでいいのかとか、あるべき党内議論が起こらず進んでいくのが組織として成長するのか心配である。このことは選挙総括を中央の敷いたレールの上でしか行えないことに帰結する。

松竹氏の新著は読んでいないが、10年前の『九条の軍事戦略』という著書でも、安保廃棄ではない道を提唱している。この時はすでに党本部職員を退職していた。今と立場は変わらないのに。(今回は共産党への要求という形であった点が問題だったのか。)

松竹氏の主張が現行の規約や綱領と違うからということで、おかしいとたたくのは本当に正しいのか。規約や綱領はこれまでも改正されているし、全面改訂されたこともある。決して不可侵ではないのだ。不破氏や志位氏は綱領や規約と違う認識をもったから変える提案を中央委員会として党大会に提案できた。これは、両氏が常任幹部会の任務に就いていたからできたわけだが、一般党員の松竹氏という元本部職員が言っても、一つ上級の機関の会議で提案か、中央への進言しかないがどちらも実質実現する道ではない。故に、今回の行動になったわけだが、元本部職員が言うのはダメというのは、明らかに党内に序列があるように思う。これは任務の違いということで、序列ではないが公式見解なのかもしれないが、公式見解は都合よい見解ばかりだ。共産党員なら誰もが規約や綱領を発展的に継承する権利はあるのではないか。それは、結社の自由のもと、社会変革を目指す国民が集まった集団としての魅力ではないだろうか。

もし、幹部より目立ったことが処分の原動力ならば、党内矛盾を広げたまま今後も党建設にまい進せよと言ってるに等しく、党外の人間ながら、共産党がなくなってしまわないか心配である。


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