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〔介護を学ぶ21〕大事なのは「介護のやり方」より「介護の目的」

◆目的を確認しよう

介護は長期戦と言われます。
ゴールの見えないマラソンのようなものかもしれません。

子育ては、幼稚園、小学校(6年)、中学(3年)、高校(3年)、大学(4年)と、流れが決まっており、ある程度計画を立てることができます。

介護の場合、不確定要素が多すぎて、計画も立てにくいと言えます。
日々が青息吐息で、視野が狭くなっています。
そんな時こそ、目的を確認しましょう。

◆介護の目的は家族の幸せ

早苗さん(73歳)は、脳卒中の夫(75歳)の介護をしています。
毎日のつらい介護は何のためでしょうか。

とんちで有名な一休さんは、こう言っています。

「世の中は 起きて箱して(大便して) 寝て食って 
 あとは死ぬるを 待つばかりなり」

辛辣な言い方ですが、笑って済ませない事実かもしれません。

朝起きて、食事の準備、食事の介助、トイレの介助、入浴介助、
そして寝る。
そんな日々の先に待っているのは何でしょうか。

介護するのは何のため?
介護をしないと早苗さんの夫は死んでしまいます。
夫を生かすために介護をしています。
介護の目的は、生きる目的とも言えるでしょう。

では何のために生きているのでしょうか。
「幸せになるため」
これに異論を唱える人はないでしょう。

介護の目的は、家族みんなが幸せになるためと言えるでしょう。
私(早苗さん)が幸せになるため。
夫が幸せになるため。
それが介護の目的でしょう。

◆目的がしっかりしていれば、苦労も耐えられる

「大学に合格する」
目的がハッキリしていると、つらい試験勉強も頑張れます。

「金メダルを取る」
高い目的があると、激しい練習も苦になりません。

「介護の負担を減らす」ということも大切ですが、
「介護の目的をしっかり持つ」ということが、
介護をやり抜くうえで重要なことと思います。

◆「手順」より「目的」に目を向けよう

早苗さんは、日々、介護と家事をやり繰りすることに奮闘していることでしょう。

起床、朝食の準備、おむつ交換、着替え介助、朝食、トイレ・洗面介助、掃除・洗濯、昼食の準備、昼食、買い物、おやつ、夕食の準備、夕食、入浴介助、マッサージ、就寝。

介護と家事の「手順」にばかり、意識が向いています。
手順通りに、介護と家事をこなすのは、何のため?
「手順」ではなく、「目的」に目を向けてみましょう。

大切なのは「手順」でなく、「私とあなたが幸せになる」という「目的」でしょう。
私が幸せになりたいのと同じくらい、夫も幸せになりたいと思っているはずです。

夫の幸せは何か、尋ねてみるといいかもしれません。
「孫の成長」
「スポーツを見ること」
「冷やし中華を食べること」

以外な返答に、「そんなことを幸せに思っているのか」と気づき、
やさしくなれるかもしれません。

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