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野菜、果物、魚、お茶で炎症を抑えて長生きしよう

「慢性炎症説」とはこうです。
乱れた食生活や運動不足により、内臓や血管が慢性炎症を起こします。
慢性炎症は細胞を傷つけ、老化、心臓病、がん、認知症などの誘因となります。
直言すれば、老化や病気の原因は、「慢性炎症」と言えるでしょう。

◆慢性炎症とはガソリンの燃焼

人間が生きることを、自動車が走ることに例えてみましょう。
自動車を走らせるとき、エンジン内でガソリンを燃焼させ、
その力で車輪を回しています。

「慢性炎症」とは、ガソリンの燃焼のようなもの

と言えます。
人間は食べ物をエネルギーに変えて生きていますが、
このとき「慢性炎症」は避けられません。

人間は三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)を食べなければ生きていけませんが、これだけ摂っていたのでは早死にすると言われています。

エンジンはオーバーヒートしないように、オイル等によって冷却するシステムがあります。
人間も、三大栄養素によって必然的におきる「慢性炎症」を、
他の食べ物で軽減させないと長生きは望めません。

どの食べ物が、体の炎症を増やすのか、減らすのか。
それを点数化したしたのが食事炎症指数(dietary inflammatory index:DII)です。
主な栄養素の食事炎症指数を示します。

文献2より引用(一部改変)

◆炎症を増やす食べ物は?

プラスが大きいほど炎症を増やし、
マイナスが大きいほど炎症を減らします。


甘いもの(ケーキ、ジュース、アイス)は糖質であり、
表では「カロリー」に相当します。
カロリーや三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)は、
すべて炎症を増やします

ご飯は炭水化物です。
脂質が最も炎症スコアが高く、中でも飽和脂肪酸(肉の脂身、鶏皮、ベーコン、ソーセージ、バター、生クリーム)、トランス脂肪酸(パン、マーガリン)は要注意です。

◆炎症を減らす食べ物は?

私たちが知りたいのは、炎症を減らす食べ物でしょう。
脂質の多くは炎症を増やしますが、
n-3脂肪酸(青魚、アマニ油、えごま油)は炎症を減らします

また、「食物繊維」と「ビタミン」、すなわち「野菜と果物」、
そして「お茶」には、大きな消炎効果があります

このグラフにはありませんが、カフェイン(コーヒー)も炎症を抑えます。

生きることは車が走ることであり、「慢性炎症」避けることができません。
ならば、野菜、果物、魚、アマニ油、えごま油、お茶で、
エンジンを冷却し、少しでも長く走り続けたいですね。

参考文献
1)香川靖雄:「健康寿命延伸のための食事」,アンチ・エイジング医学 16(6): 724-728, 2020
2)Nitin Shivappa et.al:Designing and developing a literature-derived, population-based dietary inflammatory index,Public Health Nutr.August; 17(8): 1689–1696,2014

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