歯科医師はジュースを飲まない 歯が溶けるから
◆歯科医師は炭酸を飲まない
友達の歯科医師と打ち合わせの機会がありました。
飲み物を尋ねると、「炭酸以外ならなんでもいい」とのことでした。
さすがはプロ魂!
炭酸飲料は歯に悪いので、日頃から気をつけているのだなと感心しました。
皮膚科医が「シミができないように日光を避ける」のと同じでしょう。
柑橘類や果実飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料などは酸性の強い飲み物です。
それらを頻繁に飲んでいると、歯が溶けて「酸蝕症」という病気になります。
酸蝕症は増えており、診査基準が異なるためばらつきがありますが、25~60%と報告されています。
◆ジュースは歯を溶かす
「清涼飲料水が歯に与える影響」を調べた論文があります。
歯の象牙質をオレンジジュース、グレープフルーツジュース、のむヨーグルト、コーラ、水の5つの飲料水につけた実験があります。
結果は、5分を過ぎると、水以外の飲料水で、象牙質が軟らかくなりました。
それぞれのpHは下記の通りです。
オレンジジュース 3.84
グレープフルーツジュース 3.40
のむヨーグルト 4.15
コーラ 2.55
「コーラは歯を溶かす」という話は有名ですが、
炭酸の入っていない「オレンジジュース」や「グレープフルーツジュース」、さらに「のむヨーグルト」までが歯を溶かすとは、衝撃的でした。
クエン酸、リン酸、リンゴ酸、フタル酸、酢酸などの酸が含まれているからです。
健康的と思われているスポーツ飲料も例外ではありません。
夏に向かい、のどが渇く季節がやってきますが、
飲み物はやっぱり「お茶」でしょう。
参考文献
藤田恵未ら:「清涼飲料水が象牙質の硬度に与える影響」,口腔衛生学会雑誌 63(3): 280-285, 2013
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?