見出し画像

夜中のトイレを減らすには、夕食後の水分を減らそう

おしっこの悩みで最も多いのが、「夜間頻尿」
すなわち、夜中何度もトイレに起きることです。

夜中のトイレの原因に3つあります。
「夜間の尿が多い」「膀胱に尿をためれない」「眠りが浅い」の3つです。

今回は1番目の「夜間の尿が多い」にスポットを当てます。

◆通常、夜は尿が作られない

夜間の尿が多いことを「夜間多尿」と言います。
夜に尿がたくさん出れば、トイレに何度も起きるのは当然と言えましょう。

具体的には、1日の総尿量の3分の1以上が、寝ているときに出ることを「夜間多尿」と言います。
8時間睡眠の場合、1日の3分の1の睡眠中に3分の1の尿が出ても当然と思うかもしれませんが、少し違います。

「抗利尿ホルモン」という尿を減らすホルモンが夜に多く分泌されるため、夜は尿量が減るように体の仕組みができています。
夜中におしっこがたくさん出るというのは、何らかの異常があるのです。

原因の1つは、加齢とともに、夜の「抗利尿ホルモン」の分泌が減ることです。
抗利尿ホルモンとは、尿を作るのをストップするホルモンです。
そのホルモンが減少すると、夜間に作られる尿が増えるのです。

夜、トイレに1回起きるのは、「歳のせい」で仕方ないとしても、
2回以上起きるのは異常でしょう。

「夜間多尿」があるかどうかを知る方法があります。

◆おしっこにかかる時間でおしっこの量が分かる

昼間の1回分の尿の量と、夜間の1回分の尿の量を比べてみましょう。
昼間と同じくらいの量か、それ以上の量が夜間に出ていたら、
「夜間多尿」が疑われます。

尿の量はどうしたら分かるのでしょうか。
おしっこにかかる時間で、だいたい分かります。

おしっこにどれくらいの時間がかかりますか?
おしっこにかかる時間は、正常の場合21秒という研究結果があります。
女性トイレの擬音装置「音姫」の時間は25秒と言われます。
歳とともにおしっこに時間がかかるとしても、
30秒以内なら正常と言えましょう。

日中、おしっこに30秒かかっていて、夜間の2回のトイレが、いずれも30秒以上出るとなると、「夜間多尿」が疑われます。
たとえ3回起きたとしても、いずれもチョロッとしたでなければ、
「夜間頻尿」の原因は「多尿」ではなく、別にあると言えましょう。

◆夕食後の水分を減らそう

「夜のおしっこ」の原因で、意外に多いのが水分のとりすぎです。
「高齢者は水をたくさん飲んだほうがいい」という健康情報によるものでしょう。
1日に1.5リットル以上の水は、とりすぎと言われます。
(食事に含まれる水分は除く)
1日に飲んだ水やお茶、アルコールの量を計算してみましょう。

朝、コップ1杯のお茶(200ml)とコーヒー(200ml)
昼と15時にコップ1杯のお茶(200ml)
夜、コップ2杯のお茶(200ml)とビール500ml
これで合計1700mlです。

夏は汗をかくので、1.5リットル以上はダメと一概には言えません。
脱水を避けるために、日中はこまめな水分補給は必要でしょう。

夕食後の水分を減らすことは、「夜中のトイレ」を減らすのに効果があります。
「夕食後のお茶」「寝る前のコップ一杯の水」を気をつけるのはいかがでしょうか。

参考文献
1)高橋悟:『尿もれ、頻尿、前立腺の本 名医が教える尿の悩みを根本から治す方法』,日経BP,2022

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?