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季節はずれのスミレ日誌⑥

ゲンジスミレに初めて会う

2014年4月末にK先生に案内してもらったこの場所は姫神山麓の半径5百メートルにも満たない所です。が後にいろいろな交雑種の発見される貴重な場所となります。
発見順にオクタマスミレ、カクマスミレ、スワタチツボスミレ、スワスミレ、オサカスミレの五種があります。
今回はゲンジスミレとその時教えてもらったオクタマスミレの紹介をします。その他4種は後で取り上げます。

ゲンジスミレの
花(A)、葉(B)、葉のうら(C)

主な特徴は花の形・色、花弁の紫条が他のスミレと異なること。
また葉裏の色が紫色なので紫式部~源氏物語という連想でゲンジスミレという名がついたらしいです。
この場所は丘陵地が伐採されて数年たってからゲンジスミレが現れたようです。他に見られるスミレをあげると、
アオイスミレ、エゾアオイスミレ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ニョイスミレ、アカネスミレ、スミレ、ヒカゲスミレ、エイザンスミレ、ヒナスミレ、アケボノスミレ、エゾタチツボスミレ、マルバスミレ等

残念ながらこの丘陵地は植林した木々の成長とともにゲンジスミレは数を減らして2024 年現在ほとんど見られなくなってしまいました。

2019年にゲンジスミレの新たな生育地を発見

2019 年4 月末~5 月初、近くの丘陵地の伐採地を散策してみたら、立派なゲンジスミレがたくさん見つかりました。眠りからさめたスミレ達はこんなにも旺盛に花開くのかと感心しました。
たくさんの花をつけたゲンジスミレ(D)、アカネスミレも花数が多い(E)

少しまじった感じの株(ゲンジスミレ×アカネスミレ)
花(F)、葉の形はゲンジスミレっぽく(G)、葉のうらの色は紫がかり(H)
数年後に本物のカクマスミレが出現します。

初めて会った交雑種オクタマスミレ

ゲンジスミレとともに案内してもらったのがオクタマスミレの咲いている場所でした。
最大の特徴が葉の切れ込みです。これはエイザンスミレの影響が強く、見つかりやすい交雑種のようです。他にスワスミレ、カワギシスミレがこのような葉の特徴をもった交雑種です。
全体上から(I)、花(J) 萼と距(K)、切れ込みの目立つ葉(L)

この株は数年後姿を消しました。

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