夜中のポチッとな。

年のせいなのか、居間で寝てしまうせいなのか、どうも夜中に目が覚めてしまう。

幸い、昼間眠くて眠くて仕事にならない、ってことはないので、眠くなるまでやりすごす。ベッドの傍らには、iPhone、iPad、NintendoDS、雑誌、漫画、本などが置いてあって、頭上の灯りをつければ、寝ながらにして、読書からゲームまでできるようにはなっている。暗いと紙の本は読みにくいので、iPad でダウンロードしておいた本やら、雑誌を拾い読みする。読み終えると『本を閉じる前に』という画面がでてきて、お勧め本をこれでもか、これでもか、とすすめてくる。(本を閉じる、じゃないじゃん、、)って夜中に一人ベットで突っ込みをいれつつ、リストをスクロールしはじめたら最後、夜中の2時3時にポチッとポチッと本やDVDを買ってしまっている。

昔、母が、夜中のテレビショッピングで、楽ちんできれいにみえる下着やら上手にやけるホットプレートやらバケツにはいった汚れが何でも落ちる洗剤やらを買っていた。私は、それを見つける度に“またいらんもん買って、、”とぶつくさいっていた。あまりに私がぶつくさいうので、しまいに母は買ったものをこっそり部屋に運び込み、私が不在のときに使ったりしていた。今思えば、朝から晩まで仕事や家事や押しつけられた孫の世話でゆっくりショッピングにもでかけられなかった母にとっては、夜中の買い物は、実はひそかな楽しみだったのだろう。

母は、“あんたもこの年になってみればわかる。”といって話し合いをさける手をときどき使っていた。そんなとき、私は(それいったらなんもいえないよなあ)とあまり好意的にその言葉をとらえられなかった。まだそのときの母の年齢にはなっていないけど、そういうことなのかと、夜中にポチッとしながら、ちょっと腑に落ちた。今は自分が子ども達に、“母さん、夜中にポチるのよくないよ”と言われてる。歴史はくりかえす。自分の言ったことはかえってくるよと、母にぶつくさいっていた過去の自分へ言ってみる。

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