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オンライン学習の鍵〜「2D」を「3D」に〜

3ヶ月間のオンライン期間を終え、ハナハウスでは6月からほとんどのプログラムがin-person lessonを再開しました。

3ヶ月の間にすっかり人々の生活に定着したオンラインレッスン。外に出られない間、人と人とをつなぐ大切な手段となりました。

これからの子供達の学びはあらゆる場面に置いて、従来のin-personレッスンとオンラインとが、それぞれの良さをうまく使い分けながら展開されていくことになるでしよう。

オンラインを極めようとすると、影像の作り方やシステムの活用など、組織単位でかなりのマンパワーがかなりかかります。ですが多くの学校や教室がそうであるように、「先生単位でできる工夫」を、ここにまとめておきたいと思います。

オンラインレッスンのメリット

オンラインのメリットといえばすでに多くの方が感じているように物理的な制約を超えられること。どこにいても参加できる。これは双方にとってとても大きなメリットです。

もう1つオンラインの特徴は、たとえグループレッスンであっても「教室の最前列に座らされているような」緊張感があるということです。リアルの教室ではよそ見をしたり、友達とちょっとおしゃべりしてレッスンから気をそらしても、またすぐにレッスンに戻ってこられますが、オンラインだと少しでも気をそらすと内容についていけなくなります。

加えて、常に自分の顔がスクリーンに映されているので始終前を向いてレッスンを受けなければならない。そういう意味で、オフラインよりオンラインの方がより高い集中力が必要になります。実際、わずか3ヶ月で「英語力が伸びた」と感じるお子さんが多数いました。


オンラインレッスンの難しさ

全員が最前列に座っているような緊張感のあるオンラインレッスンの中で、難しいのはいかに子供達に60分、90分という長い時間スクリーンに向かわせ、最後までpositive learnerでいさせることができるか、ということです。

これまで行ってきた教室でのレッスンをそのままオンラインに移行するだけでは、子供達はすぐに疲れてしまいます。結局はオンラインでのレッスンは30cm四方のスクリーンの中だけで行われるものでしかなく、子供達は飽きればすぐ、スクリーンの外側にある広い世界にいつでも逃げ込むことができるのです。

ではどうしたら、その小さな画面の中で行われる学びに惹きつけることができるのか?

その鍵は「2Dの学び」をスクリーンの向こう側の「3Dの世界に拡げる」ことにあります。


画面という「2D」を超えいかに「3D」にできるか

3ヶ月間、3歳〜小学生まで様々な科目をオンラインレッスンで教える中でオンラインレッスン成功のためのポイントを3点、まとめておきたいと思います。

1. Emmotional Connection/Bond(絆、繋がり)

やはり一番大切なのは先生や友人とのconnectionです。「会える喜び」「絆」です。

これは最初からオンラインではなかなか作りづらいというのが正直な感想です。ハナハウスの場合、オンライン前の世界があったからこそ、オンラインでも会える喜びを感じやすかった部分もありますが、オンラインからスタートしたクラスでも、ある一定の条件をクリアすると絆は確かに生まれます。

内容がどれだけ優れていても、お手軽な分「いつでもやめられる」オンラインレッスン。それを長期継続するためには、最終的にそこに所属する人対人の「繋がり」を肌感覚でどれだけ感じられるか。それが大切です。繋がりを生み出すのはとてもシンプルなことです。

① 生徒のことをどこまで知っているか

② スクリーン上での1対1の問いかけ(名前を呼ぶ)

「この子は日々こんな生活をしていて、今回この場所から参加してくれている」。そういう情報を教える側が持っているだけで、会話がスクリーンを超えたところまで拡がります。そしてほんの一言二言交わすだけでよりパーソナルな関係が生まれます。

そして何より大切なことは、生徒それぞれの「名前」を呼ぶこと。名前を呼ばれ、ただ返事をする。それだけのことが確かな絆(connection)を生みます。

当たり前といえば当たり前のことですが、これがあるかないかでスクリーンの中にあるコミュニティは生きも死にもする。それくらい大切なことです

2. スクリーンの学びを、スクリーンの外・生活に広げる


もう1つ、オンラインレッスンを2Dの画面の中だけに終わらずに、より立体的な学びにするために必要なポイントがあります。それはスクリーン上で学んだことをその周囲にあるリアルの生活に拡げていく、結びつけていく作業です。

例えばハナハウスでは5月、Vegitableがテーマでした。

スクリーン上で野菜の名前を覚えるだけでは面白くない。そこで、冷蔵庫の中にある野菜から種を取り出し、自分でflower potを作り、その種を植えて育てるという一連の作業を生活の中に取り入れました。

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学びをリアルの生活に落とし込むことができると、習った言葉を繰り返し、文脈のある生きた言葉として使うことで、言葉に命が吹き込まれます。

3. Outernal Force

最後のポイントは「外発的動機付け」です。

具体的に言うと、例えば「お金を払った」という強制力だったり、「毎週時間が決まっている」という拘束力です。

このオフライン期間中に、質の高いプログラムが数多く世の中に無料提供されました。ハナハウスでも無料のYogaや、絵本の読み聞かせのプログラムを毎週無料で生徒たちにお届けしていました。

最初の数回は物珍しさから多くの参加がありましたが、結局数回すぎる頃には半数になり、最後は2~3名にまで減りました。

「無料」だったり「いつでもできる」というのは言い換えると
いつやってもいいし、
いつやめてもいい。

人はやめる理由を見つけるのが得意です。
ですから、相当な拘束力がないと続かないんです。

側で「頑張って!」と言ってくれる人がいて
「もう辞められない」という料金をお支払いしている。

この事実がとても大切なのだということを改めて実感しました。

まだまだ続く、というより変化を続ける子供達の学び環境。工夫をしながら、より良い、あるべき学びの姿を見出していきたいです。

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