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重度心身障害児をかかえ、あれこれ動いた記録をkindle出版してみた

我が家には寝たきりの娘がいます。
市民ではありますが、田舎に居住。居住自治体は重度の障害児に対するケアはほぼなく、私は子供を誰かに預けることができないので、子供と一緒に行けるところ以外、ほとんど外出できません。


障害児を抱える田舎での生活

なぜ引っ越さない?と思われるかもしれませんが、田舎の長男に嫁いだためにそういうわけにはいかないのです。ただ、私はもっとド田舎出身なので、車で数分のところにスーパーや学校があるのは魅力的です。

そんな私が困り始めたのが子供の入浴です。
子供といっても小学校高学年になってくると、抱っこで入浴は重労働です。そして、親も年齢を重ねるにつれて弱っていきます。

なのに「オカアサンガンバッテ!」で片づけられるのはおかしくないか!?
と、ふつふつとくすぶっていた怒りが外にあふれ出して、戦略的に外に出ていくことにしました。

そんな数年間の記録です。
まだまだ続いていきますが、少数派である重度心身障害児を抱える、サービスが極端に少ない地域に住んでいる方には共感していただけるのではないかと思います。

また、障害者自立支援協議会というところに入って、市と施設と利用者で直接話し合い、新しいサービスを模索したり、実際にサービスが誕生したりしています。知らないだけで、市政へ参加する手段はあるのです。そんなことも書いています。

多くの子育ての中の一つとして知っていただけると嬉しいです。

↓電子書籍版(Kindle Unlimited加入の方は0円で読めます)

↓ペーパーバック版

寝たきり我が子と地方ぐらし介護日記の【まえがき】の紹介

昨年末に電子書籍を出版しましたが、この度、ペーパーバック版でも読めるようにしました。

もともと本が好きで「出版」が夢だったので、夢をかなえた形です。

【まえがき】
首も腰もすわらない子供の入浴介助ってずっと親ができるの?
中学生くらいになると小柄なお年寄りと同じくらいまで成長するけど大丈夫?
でも、親ってどんどん老化していくよね・・・。
え、この先、私も娘もどうやって生きていったらいいの?

この本は、首も腰もすわっていない重度の心身障害児を育てている人にも、そんなこと考えたこともなかったって人にも読んでほしい本です。

不安なことは多いし困りごとは怒涛のように押し寄せてくるし、なのに「お母さん頑張って」で片付けられがちで、長い期間、周りは敵ばっかりに見えていました。

ただ何年ももがいていると、少しずつまわりが見え始めてきて、少しずつ相手の事情を知る機会が増えてきて、少しずつ「敵に見えていたものは幻かもしれない」と戦闘モードが解除されていっているような気がしました。
ネット上では厳しい意見が多いし、日常でも区別されることは多いです。だからか、関係者と話していても無意識に踏み込まないし、踏み込ませない状況を作っていました。素直に話してこれ以上傷つきたくなかったからです。

でも、相手の事情がわかってくると少しずつ見え方が違ってきました。
そんな私のとある数年間の記録です。

はじめまして。ハナヒラと申します。
現在アラフォー主婦で、夫と2人の子供と暮らしています。
子供達には軽度と最重度の障害があり、なにかと振り回される日々を送っています。数年前までは子供のことでバタバタしすぎて、あまり記憶がさだかではありません。

上の子が中学生になり、下の子も以前より体力がついてきて、少し楽になってきたかなーと思ってきた時、下の子である娘の成長期がやってきました。
「やばい、娘抱えて浴槽をまたぐのがすごく怖い」

体力がついてきて体調が安定することが増えて、少し生活が楽になってきたので、この先に穏やかな暮らしが待っていると想像していました。そんな時にきた成長期。

食事の時に座位保持装置(椅子)に座らせるのも、バギーに乗せるのも、お風呂に入るのも、布団に入るのも・・・数え上げればきりがないくらい「抱っこ」をします。

ついに、私の手首と腰が悲鳴をあげました。
もともと腰痛持ちなのでだましだましやってきていましたが、ついに通院。
治療とリハビリをしつつ、正しい抱き上げ方を身に着けていきました。

でも、それだけでは痛みはひきません。腰によくないことを減らしていく必要があります。ただ、腰によくない行動のベスト1は、絶対に避けられない「床から抱き上げる」行為。
他にも、抱っこしたままの移動や、かがんだ状態での抱っこなどたくさんあります。

それらの負担を少しでも減らしていこうと考えるようになりました。
もう少し若ければ「体力をつけよう!」と思ったかもしれません。でも、すでに体力も気力も低下しつつあることに自覚があり、これから先のことを考えるようになっていました。
さらに、「オカアサンガンバッテ」という言葉にもうんざりしていました。

もうだめだ、このままじゃ何もわからない。
どんなサービスがあって、利用できるサービスは何があって、子供とお年寄りのサービスを比べていって・・・とにかく情報を集めよう!

と、重い腰をあげたときの記録です。

なんのために記録を書いたのか・・・。
それは記録が残ることで「私がそこにいた」ってことを証明される気がしたからです。

「働いてないくせに・・・」「生産性がない」、という言葉を聞いていると、「何のために生きているんだろう」とずっと思っていました。毎日、何もしないで過ぎていってるのがとても申し訳なく、私という個人が消えてしまったように思っていました。

でも「私はこういうことをやっていた」という記録があれば、私がそこにいたことが証明される気がしたのです。確かに私はそこにいたって。

どんな人でも、ふと立ち止まったときに不安になることがあるのではないでしょうか?そんな時、空回りしたり遠回りしたり、足踏みしたりするとさらに不安が押し寄せてきますよね。
そんな不安を一緒にちょっとだけ笑い飛ばしませんか?

キラキラした生活でも、成功体験の積み重ねの生活でもありませんが、くすっと笑ってちょっと知識を得られる、そんな体験ができる本です。


次回作は「中学生になる準備あれこれ日記」からの予定

今年度、娘は地域の小学校の支援学級を卒業し、支援学校の中等部に入学しました。

一般的な子は、小学校入学の時もそうだと思いますが、市から入学通知がきて、入学説明会があって、入学式の案内があって、入学式に出席するという流れがあります。

障害児はそんな簡単に義務教育を受けることはできません。
一年近く前から準備が必要ですし、2月末になるまでどこの学校に入学できるか教えてもらえません。

ま、色々あってなんとなくにおわせていただけるので、就学準備はできるんですけどね。

そんな記録を振り返りたいと思っています。

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