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6年間泳げなかった子たちが続々と25mを達成【水泳指導のイロハ完全版】

 奈良県の小学校で勤めていた頃は、基本的に担任した学級では毎年クラス全員が25mを泳げるようになりました。

 どの子も例外なく泳げるようになることは、子どもたち一人ひとりの自己肯定感を高めるだけでなく、クラス全体の雰囲気を前向きになものにする上でも大いに効果がありました。

 そこから私は勤務地を北海道へと変えました。
 気候条件のこともあり水泳学習に充てられる指導時間は、奈良県時代の半分以下(全部で4回!)となりました。もちろん、子どもたちの泳力においても奈良県のそれとは大きな開きがありました。(ある年に担任した6年生のクラスでは、25mを泳ぎ切れる子が僅か数人といった状況でした)

 少ない指導時間に、泳力の難しさ。こうした状況の中でも、水泳指導を終えた後には、クラスの9割以上の子が25mを泳げるようになりました。時間さえ豊富にあれば、北海道でもクラス全員が泳げるようになったと確信しています。(一緒に体育の授業をした同僚も同じように話していました)
 
 奈良県の時も北海道の時も、基本的に指導方法は変えていません。
 ポイントは、以下の4つです。
 ①バタ足をさせない
 ②連続ダルマ浮き
 ③可能な限りゆっくり泳ぐ
 ④循環型の場の設定

 それぞれ、紹介します。

泳力の獲得を邪魔するもの

 水泳とは、次の3つが統合された動きを指します。
 『呼吸』 ・ 『浮く』 ・ 『進む』
 これらを身につけるには、必要な感覚や動きの技術を細分化し、ステップを踏んで指導していく必要があります。
 では、上の3つの動きは、どのような順で指導するのが望ましいのか。
 粗く言って、それは①浮く→②呼吸→③進むの順です。
 特に重要なのは、前半の2つです。
 水泳の苦手な子の多くは、①と②に難を抱えている場合がほとんどです。 
 体に力が入って浮力が得られていなかったり、息継ぎのリズムがうまく取れていない為に25mが泳げなかったり。
 つまり、一定の距離を泳ごうとする場合、次の二つの技能の習得が必要と なるわけです。
 体の力を抜いて浮く『脱力』
 リズムよく呼吸する『呼吸力』

 水泳に苦手さを抱えている子にとっては、この2つを継続的に練習できる場が必要です。そこで
 ①バタ足を極力行わせない
 ②連続ダルマ浮き 30 回で脱力・呼吸力の修得を行う
 ③可能な限りゆっくり泳がせる

ことを指導のポイントしています。 
 以前に書いた学級通信から必要な箇所を抜粋します。


 

 尚、「連続ダルマ浮きとはどんな運動ですか?」との質問が毎回寄せられるので、そちらも紹介しておきます。(https://www.youtube.com/watch?v=KjPuT-zeoVI


 それから、「循環型の場の設定」についても以前まとめた文章から紹介します。こちらには、実際の授業における指導手順も掲載してあります。


 約20年間の教師生活において得られた水泳指導に関する経験則と、40冊ほどの水泳学習に関する書籍・雑誌から得た情報を統合する形で今回の記事にまとめました。
 水泳指導の際にどうぞご活用ください。

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 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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