現代アートは知の総合格闘技だ!!!
こんにちは。現代アートコレクターのHanaです。
アートにのめりこみ、現代アートをコレクションしていくうちにふと思ったことがあります。
「現代アートって知の総合格闘技だな!!」
って。
アート、特に現代アートを理解することは、描かれているもの、表現されていることだけを見て感じるだけで終わりではなく、実に様々な要素が複雑に絡み合って初めて深く理解できるものだということを知れば知るほど痛感している次第です。
それが故にどんどん面白さの深みにはまっているのですが、本記事では具体的にどのような知的要素が現代アート鑑賞には含まれているのかということをお伝えできたらと思います。
社会性ーアーティストはどう社会を切り取るか?ー
アート、特に現代アートに関していえば、描かれているものを観て、感じて、はいおしまい。という事には決してなりません。
コンセプチュアル・アートなんかは、そのコンセプトを抜きに作品を理解することは不可能です。
「アーティストが表現を通じて訴えたいことはなにか?」
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「どのような問いやメッセージを現代社会に投げかけているか?」
というのは、現代アートを鑑賞する上で大事なポイントになってきます。
例えば、アンディ・ウォーホルは、繰り返されるキャンベルスープ缶等のモチーフを用いて、当時のアメリカ社会の特徴である、大量生産・大量消費社会を表現しようとしています。
ウォーホルの作品をより深く理解するためには、1950-60年代のアメリカ社会がどのような物であったか?それらを特徴づける大量生産・消費主義とはいかなるものか?ということを学ぶ必要があります。
同様に、現在進行形で生まれている現代アートの作品の数々も、アーティストがどのように社会を切り取り、見ているのか、どのような問いを投げかけているのか?という点を理解して作品を鑑賞すると、また違った印象を持つことが出来るでしょうし、より深くアーティスト、作品のことを理解することが出来ます。
当然、アーティストさんたちが問いかけている現代社会について自分自身が知識、考えを持っていないと、その問いを受け止めることが出来ないと思うんですよね。一方通行になっちゃうっていうか。
私個人的には、このアーティストの社会の見方、考え方という部分にとても惹かれるものがあります。
「こんな考え方はしたことが無かったな」
とか
「ある事柄に対しての切り口が面白い!発想が面白い!」
といったアーティストさんに出会うとワクワクします。
歴史ー美術史のみならずオールジャンルでー
次に挙げたいのは歴史です。
まず、美術史を学ぶことは現代アートを見るうえで必須科目です。
現在において、アートが評価されるというのは、究極的には歴史に残るということです。
それはつまり、連綿と流れている美術(西洋美術)の流れにおいて、アーティスト、作品はどのような役目を果たしているのか、どのような更新が出来るのか?ということです。
歴史の文脈から外れた作品は評価されないというのが現代アートの世界です。
(一方で現在進行形で生まれる作品が生まれた瞬間に歴史的な評価を受けることは、現在と歴史が同時には存在しえないため、難しい部分はありますが。少なくとも美術史における立ち位置みたいなものは意識したいところです。)
そのため、現代アートを鑑賞する上では、その美術史、特に西洋美術史を抑えておく必要があります。
私は好きなアーティストさんが、影響を受けたアーティストに言及していたら、そのアーティストを調べ、そこから周辺の歴史を学んでいく方法を取っています。
また、美術史のみならず先ほど述べたアンディ・ウォーホルに関していえば、現在から当時を学ぶことは歴史を学ぶことに他なりません。
過去の社会情勢だったりというのは今となっては歴史の一部ですから、その意味で美術史のみならずオールジャンルの歴史を学ぶ必要があるのです。
経済についても学ぶのは必須!?
これについては賛否両論あると思います。
「アートを経済的な観点から語るべきではない」
という考え方にも一理あると思います。然しながら現実を見ると、現代アート市場はどっぷりと資本主義経済の構造に組み込まれてしまっています。
純粋的なアート鑑賞には経済的な観点は必要ないのかもしれませんが、アートを購入する、コレクションするにおいては切っても切り離せない関係にあるのは間違いありません。
現代アート市場、その構造を理解する上ではやはり経済だったり金融だったりということを学ぶことは必要ではないかと思うのです。
おわりに
以上つらつらと挙げてみましたが、他にも挙げればまだまだキリがありません。
哲学だったり、果ては国民性、国民、人種特有のアイデンティティなども学ぶ必要があったりします。
掘っても掘っても次から次へと知的好奇心をくすぐってくる現代アートってやっぱり面白い!!
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