FullSizeRender_2_のコピー

とても変な夢を見ました

村上春樹がノーベル章を逃したニュースを聞いた時、私は静かな部屋にいた。この部屋には人間が出てこない。1人も。時間が経っても、ここは時を刻まない。過去でも未来でもない、現在という場所でもない。固い何かがぶつかって目を開けると、ああ、ここは夢の中だったのか、と気づく。固いものがぶつかる感触だけが身体に染み付いていて、夢の中身も味も忘れてしまった。幸福の欠片をたべたような、しかし何ひとつ感じない夢であったように思う。あの部屋には私もいなかったなあ、そんなことをぼんやりした頭で考えながら、枕の隣に置いてあるはずのアイフォンを手で探す。暗い部屋にアイフォンの光は眩しかった。夜中の2時47分。ベッドの隣のスタンドライトをつけた。オレンジ色の薄暗い光を目に焼きつくまでじっとみた。2時50分。再びアイフォンを手に取る。無意識にツイッターを開いた。知らない君は起きているみたいだ。今、同じ時間に、どこかは知らないけど、誰かからでてきた言葉の数々……。  つづけ   


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?