超音波治療器の禁忌

超音波治療器について前回述べましたが、今回は禁忌についてです。

超音波治療器の禁忌

◯ペースメーカーを装着している方(ペースメーカーを加熱したり誤作動が発生するため)
◯知覚障害を有している方(過量の照射をしてしまう恐れがあるため)
◯悪性腫瘍
◯重篤な血管疾患(心不全や血栓性静脈炎など)
◯成長骨端線
◯妊娠している人
◯眼球、脳、生殖器
◯脊髄疾患
◯合成樹脂や関節セメントが留置されている場所(人工関節など)
参考:https://ogw-media.com/medic/cat_rehabili/118

経験として、患者さんから話を聞いて、私は骨端線に照射してしまっている柔道整復師、接骨院・整骨院の先生が意外と多いと感じています。

成長期に起こる骨端線の痛みに対して、他院から転院してくる患者さんに話を聞くと、「超音波を当てていた」という回答がかなりあります。


骨端線への照射は禁忌です。

参考:https://hideyukiriha.com/archives/4539

参考:https://ogw-media.com/medic/cat_rehabili/118


この事実について、無知な柔道整復師により、骨端線に対する超音波照射により、症状が悪化している例を何件も見てきました。

「痛みがあって、なかなか治らないからとりあえず超音波」という流れは非常に危険です。

骨に対しての超音波治療については様々な研究がなされていますが、私はあえて小児に対しての超音波治療器の使用はできる限り避けています。これから成長する骨に対して、外的に影響を与える超音波治療器の使用は、実際に何が起こるのかわからないからです。特に、「骨端線に当てないから大丈夫」と思っていて照射して、「本当にそれ、骨端線にあたっていないと言い切れますか?」という話。超音波治療器の使用に十分な経験があり、自信があるのであればやっても良いかもしれませんが、果たして超音波治療器の使用について指導をろくに受けていない柔道整復師がそれを行うことができるでしょうか?


私は「予測ができないものに関してはやらない」という勇気も必要だっともいます。

当たり前のことを言っていますが、「まぁ大丈夫だろう」と思ってやってしまっている人も多いのが現状です。


専門学校のカリキュラムでも超音波治療器の使用方法、実際に練習してみるなんてものは存在しません。ましてや、超音波治療器に対する資格なんてありませんから、各整骨院・接骨院で行われている超音波治療器の使用については「自己流」です。言ってしまえば、私も自己流です。これは資格制度自体がありませんから、仕方のないことなのですが…


超音波治療器は電気ではありませんから、電療としての算定はできません。=保険適用外になるということですね。あくまでも自由診療。これって大丈夫なんでしょうか?


物理療法を行う上で大切なのはまず知識です。道具の使い方ではありません。

あなたが物理療法に興味があって、それを得意というのであればまずは正しい知識を身につけることが大前提になります。

器械による施術は効果があるように思えますが、その分、人の体を壊す可能性も非常に高いのです。(だから効果があるのですが)


現時点で物理療法を取り入れている先生方にも、少しでも正しい知識を身につける機会が増えることを願います。

また、今後も物理療法について記事を書いていきますので興味の在る方はフォローをお願いします。


参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/12/2/12_193/_pdf

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/17/1/17_1_14/_pdf/-char/ja


サポートしていただけると泣きます。(泣きません)