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「刺激と感覚」~物療で出来る事と感じることの整理~

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さて、電流療法について深堀りをしてきた3部作も今回で終了です。しっかりと電流療法の奥深さに触れていきましょう!


波形と周波数(前々記事)
通電効率(前記事)
③刺激と感覚(本記事)


さて、今回のタイトル。

刺激と感覚


です。

皆さんは電流刺激療法を、日々使用して施術を行っていると思いますが

こんな疑問を感じたことはありませんか?

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この患者さん、全然電流強くないのに痛がるなぁ…

電流は強いほうが効くんじゃないのかな?

いくら電流を強くしても、この患者さん痛がらないなぁ…

本当にこんなに強く電流を流して良いのだろうか?

この患者さんはなんでこんなに感覚が鈍いのだろうか?


臨床に出て、患者さんからもこのようなことを聞かれませんか?

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コレって、強いほうが効くんですか?

痛いんですけど、我慢したほうが良いんですか?

電気苦手なのでやりたくないんですけど?

ああー!!痛い!!!(全然電気流してないのに)

効いてる感じしないんですけど、意味あるんですか?



この点に関しては以前に書いた記事もよく読んでくださいね!



今回のタイトルは刺激と感覚です。


刺激に関しては、物理療法で行われる電流療法を始め、様々なエネルギーでどのような刺激を得ることができるのか?それに関して、何が起こるのか?を考察します。

また、感覚に関しては感覚受容器の話や、そもそも患者さん自身が感じる感覚フィーリングと言ったほうが伝わりますかね?)



刺激とは

刺激
1 生体に作用してなんらかの現象や反応を起こさせること。特に、知覚や感覚に作用して反応を起こさせること。また、その原因となるもの。「学習意欲を—する」「都会は—が強い」

2 物事の動きを活発にさせるきっかけとして、外から作用すること。また、そのもの。「景気を—する」

引用:https://www.weblio.jp/content/%E5%88%BA%E6%BF%80

物理療法機器で行える刺激って、結構色々あると思うんです。電流の刺激だけではなく、温熱、冷却、振動、吸引、牽引などなど。様々な刺激を利用して生体反応を引き出す事が目的で行います。

そして、その刺激を受け取る側の感覚についてです。


感覚とは

かん‐かく【感覚】
1 外界からの光・音・におい・味・寒温・触などの刺激を感じる働きと、それによって起こる意識。視覚・聴覚・嗅覚(きゅうかく)・味覚・触覚や、温覚・冷覚・痛覚など。「寒さで指の感覚がなくなる」

2 美醜やよしあし、相違などを感じとる心の働き。センス。感受性。「日本人の感覚では理解しにくい」「感覚が鋭い」「新感覚のデザイン」

3 (他の名詞の下に付いて)
㋐それを感じ取る心の働き。「バランス感覚」「金銭感覚」
㋑そういう心構えや雰囲気。気分。「学生のアルバイト感覚でいられては困る」

引用:https://www.weblio.jp/content/%E6%84%9F%E8%A6%9A

触覚、痛覚だけではなく、視覚や聴覚、味覚なども感覚ですよね。基本的にはみなさんが物理療法機器で行うのは触覚や圧覚、痛覚、などに関してだと思います。

今回の記事ではもう一度その感覚についてのおさらいと、物理療法機器で何をしているのか?何を狙えるのか?を考えていきましょう。


まずこちらを必ず読んでください。

今回は刺激と感覚についてです。ということは、痛みのコントロールの理論が分かっていないとお話になりません。

ということで、必ずこちらの記事を呼んでから進んでください!読まなくても、なんとなくは理解できると思いますが、なんとなくでいいんですか?




僕はもうちょっと考えたほうがいいと思う

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物理療法の世界は、エビデンスにあることをベースに設定や使用方法を考えて行っている人も多いと思います。それでもいいと思いますが、エビデンスに無いような設定や使い方をしている先生方もものすごく多いです。


それは何を考えて行っているのか?


経験です


という話も多いかもしれません。というか、かなり多いと思います。それはなぜ起こるのでしょうか?


結局、その設定で物療を使っても効果が出なかったからという話になるのだと、僕は考えています。


教えてもらった設定で効果が出ない

調べた設定で効果が出ない

いろいろ試してみたら、自分でやった設定のほうが効いた気がする


そんな話は物療だけでなく、手技療法でもあるとは思います。

というか、手技療法は数値化できないのでかなり感覚的な部分は多いですよね。


感覚ですべて行うから、技術力に差が出てくると思うんです。

感覚で設定をいじるから、効果にばらつきが出ると思うんです。

でも

患者さんにどのようなエネルギーが、どのぐらい、伝わってどのように感じたのか?

その感覚は、患者さんにしかわからないはずです。


他人の感覚は自分で感じることはできません。


例えば、同じ低周波の設定でも

ビリビリする

とか

チクチクする

とか

ズーンと感じる

という人。それぞれだと思います。


なので、感覚は人それぞれなので、それを数値化して設定として覚えようと思っても限界があるんです。


人それぞれの感覚があります。だから、それらを整理できる力が必要なんです。


僕は勝手に整理学と名付けていますが(笑)


・機器の性質と効果
・患者さんの状態
・患者さんの感覚
・エビデンスを元にしたデータ
・自分の経験
・結果


これらを整理整頓できないと、勘に頼った感覚だけの施術になってしまうと思います。


まぁ、勘も大事ですけどね(汗)


一番重要なのは結果です。


とにかく、エビデンスはめちゃくちゃ大事です。しかし、患者さんを目の前にして状況判断ができないと全く意味がありません。

また、自分の環境や能力を判断しなければ、患者さんに何が提供できるのか?すらわかるはずもないのです。



ということで、今回の記事で学べることは

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✔ 物療機器で何の刺激を与えることが出来るのかを整理
✔ 感覚受容器について再確認
✔ 痛みの感覚や刺激の感覚についての整理
✔ 臨床をイメージした刺激と感覚
✔ 整理学を元にしたなんとなくからの脱却


です。

さぁ張り切っていきましょう!



症状をイメージしてみましょう。

有料部分に入る前に想像してください。


足関節捻挫の患者さんが来院しました。

外観はこのような状態です。受傷翌日の来院としましょう。

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画像引用:Wiki

あなたなら、この状態で来た患者さんに対して何をしますか?




すみません。物療マガジンなので、物理療法機器を使うとしたら、の話で進めさせて頂きます。

「徒手で全部やるから問題ない!」

という方は読まなくてもいいですが、物理療法で施術する事をイメージすると、徒手のやり方も変わってくると思いますので参考にはなると思います。


どこを損傷しているのかな?
損傷度合いはどうなんだろうか?
なんの物療が適応出来るだろうか?


色々考えることが多いと思います。


今、自分の院にある物理療法機器で何が使えるのか?もなんとなくイメージしておきましょう。その上で、記事を読んでいただけると、更に発想が広がると思います。


物理療法の種類

今更ですが、どんな種類があって、どんな刺激が得られるのか?を確認しておきましょう。

温熱療法

表在:ホットパック・パラフィン浴・赤外線・温浴
深部:超音波・ラジオ波・極超短波・超短波

寒冷療法

アイシング・アイスバックなど

電気療法

TENS・NMES・HVPC(ハイボル)・MENS・FES・IFCなど

光線療法

遠赤外線療法・近赤外線療法・低出力レーザー

牽引療法

牽引器などによるもの

圧迫療法

包帯・メドマーなど

振動療法

マッサージガンなど

衝撃波

収束型衝撃波・拡散型

磁気刺激療法

磁気刺激装置


こんなもんでしょうか?結構ありますね。


今度は、人間の感覚をおさらいしましょう。


体性感覚

人の感覚には様々な種類がありますが、大きく分けて特殊感覚非特殊感覚に別れます。特殊感覚は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、平衡感覚で、それ以外を非特殊感覚といいます。

非特殊感覚には体性感覚内臓感覚に別れます。

今回は主に体性感覚の話になるので、内臓感覚から解説します。

内臓感覚には臓器感覚内臓痛覚があります。

臓器感覚はお腹が空いた、のどが渇いた、おしっこがしたいなど。臓器が物理的か科学的に刺激されて起こる感覚です。

臓器痛覚は内臓が痙攣したり、拡張したり、炎症を起こして生じる痛みなどのことをいいます。内臓痛覚は自律神経によって伝わります。


そして体性感覚についてです。

体性感覚は表在感覚深部感覚(固有感覚)に別れます。


感覚にはどんなものがあるの?


感覚は特殊感覚体性感覚内臓感覚の3つに大別できます。

体性感覚は、表面感覚と深部感覚に分けられます。表面感覚は皮膚感覚ともいい、触覚、圧覚、痛覚、冷覚、温覚などがあります。深部感覚には運動感覚や位置感覚、振動感覚などの種類があり、筋肉や腱、関節などの感覚受容器で感知します。感覚受容器で感知した感覚刺激は、脊髄を通って小脳と視床に伝えられ、最終的には大脳に伝わります。

内臓感覚には、臓器感覚と内臓痛覚の2つがあります。臓器感覚は空腹感、のどの渇き、尿意など、臓器が物理的・化学的に刺激されることによって生じる感覚です。一方の内臓痛覚は、内臓が痙攣(けいれん)したり、炎症を起こしたり、拡張したりすることで生じる痛みです。内臓痛覚は自律神経によって伝わります。


表在感覚は皮膚や粘膜にある受容器に刺激が加わることによって起こる感覚です。

触覚
圧覚
振動感覚
温度感覚
痛み
かゆみ


などは表在感覚ですね。

一方、深部感覚は筋肉や腱、筋膜、関節や靭帯などにある固有感覚受容器に刺激が加わって起こる感覚です。

位置の感覚
動きの感覚
力、重さの感覚

などのことですが、骨格筋や関節の感覚は意識にのぼる事はないので、主に運動で使う感覚ですね。


痛みの受容器ってどれよ?

さて、こちらの記事は熟読されていると思いますので、今回はさらっとしか触れないです。というか、ここで同じ内容を書いたら、とんでもない量になりますので(汗)

ある程度理解した上で進みます。


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引用:https://www.kango-roo.com/learning/1721/

皮膚周辺にある感覚受容器の図です。

皮膚にはこれだけ多くの受容器が存在しています。後々お話しますが、物理療法においてだけではなく、痛みの考え方として皮膚は超重要です。

外傷の殆どは皮膚のアプローチだけやっておけばある程度、抑えられる可能性あるんじゃね?という話です。


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