吉例顔見世大歌舞伎
歌舞伎座に櫓が揚がっています。もう11月か、と例年思いますが、今年は少し様子が違いますね。
普段ですと、歌舞伎界のお正月みたいなもので、この1年はこういう顔ぶれで行きますよ~とオールスターな演目が並ぶのですが、今年はコロナで成田屋の襲名披露公演が延期になったまま、再開後は4部制になっています。
聞くところによると、歌舞伎は初めてという方が一幕見感覚で観るのが増えているのだとか。映画に近い感覚かもしれませんね。
屋根の上にあるのが櫓です。正面に歌舞伎座の印「鳳凰丸」と、横には「木挽町 きゃうげんづくし 歌舞伎座」の文字があります。歌舞伎座は銀座4丁目ですが、「銀座木挽町」みたいに木挽町の名前は残して欲しかったですね。
今月の演目はこんな感じです。
蜘蛛の絲宿直噺
猿之助さんの五変化。変化物は早替わりが楽しいですし、蜘蛛が糸をブシャー!とするのは華があります(その後で黒衣さんが糸をササッ回収するのも鮮やかです)。
頼光の退治物で、頼光が隼人くんなのでカッコイイに違いないです。
身替座禅
従者に座禅の身替りをさせている間に浮気をしに行くダンナに菊五郎さん、その奥方に左團次さん。奥方役はいつもは立役の役者さんが演じるのも笑えるんですよね〜。
一條大蔵譚
一條大蔵長成は白鸚さん。バカ殿の話ですが、単におバカなだけではダメで、気品がないといけないお役です。白鸚さんなら間違いないですね。
義経千本桜 川連法眼館
通称四の切です。宙乗りがあって華やか、かつホロリな演目ですが、今回は宙乗りはないのかしら。ただでさえ席数を減らしているところに、宙乗り小屋で3階席がかなり潰れますものね。宙乗りはなくても、早替わりや神出鬼没の狐で楽しめると思います。
獅童さんの源九郎狐は観たことなかったと思います、多分。
若かりし頃の初歌舞伎がこの演目でした。源九郎狐は当時の猿之助さん、今の猿翁さんですね。恐らく巡業東コースだったのでしょう、近所の市民会館みたいな所だったため、宙乗りの代わりにまさかの木登りでした……。
宙乗りや廻り舞台って江戸時代からあるんですよね。当時は当然、人力です。凄いですね。
というわけで、大作はできなくても面白い演目が集まっている今月です。
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