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令和4年度診療報酬改定で脚光を浴びる『HL7 FHIR』とは?

こんにちは!宮沢です。

”ヘルスケアの未来を変える”と言われている『HL7 FHIR』。実は医療機関において今後必要となってくる概念となります。
今回は、HL7 FHIRの概要からメリットまで説明をしていきます。

HL7 FHIRとは

読み方は、"エイチエルセブン ファイアー" 。
HL7 FHIRを完結な言葉で表すと『医療情報国際標準規格』と言います。

HL7とは

HL7は、『Health Level 7』の略であり、医療情報のあらゆるデータの送受信を標準化する(したい)ための国際標準規格です。
日本HL7協会も設立されおり、医療情報交換のための標準規格と示しています。以下、日本HL7協会から抜擢。

HL7とは、医療情報交換のための標準規格で、患者管理、オーダー、照会、財務、検査報告、マスタファイル、情報管理、予約、患者紹介、患者ケア、ラボラトリオートメーション、アプリケーション管理、人事管理などの情報交換を取り扱います。

日本HL7協会

また、HL7には種類があり、V2(テキスト)、V3(XML)、CDA(V3の進化版)、FHIR(Web通信)の4種類あります。

FHIRとは

FHIRとはHL7の1種であり最新版です。
従来のテキストベース(V2)やXML形式(V3)から一新され、以下が大きなメリットとなっています。

  • 短期間の開発・導入

  • 医療・製薬業界特化型フォーマット

  • 世界共通の医療情報相互運用

  • データ概念の統一

またFHIRの略語を分解すると、
F:Fast(to design and implement)
H:HealthcareI 
I  :Interoperability
R:Resources
であり手早く設計し導入できる、保健医療分野の相互運用性リソースと言われています。

< HL7 FHIR まとめ >
・HL7とは『コンピューター間での医療文章情報のデータ連携を標準化する国際規格』で、V2(テキスト)、V3(XML)、CDA(V3の進化版)、FH IR(Web通信)の4種類。つまり、HL7 FHIRは医療情報をweb上でデータ連携を行うための標準規格と言い換えれる。
・V2、V3、CDAと従来のHL7では”データ構造がそれぞれ異なりデータの解読に時間が掛かる。また共有自体も困難”という点が課題であった。そこで新たに誕生したFHIRでは、『REST』という世界共通の一般通信手段を採用したことで誰でも簡単に情報を取得共有が可能に。

FHIRとは、
手早く設計し導入できる、保健医療分野の相互運用性リソース

診療報酬改定でHL7 FHIRが必要に!?

令和4年度の診療報酬改定において「診療録管理体制加算(入院初日)」の施設基準の届出に関する事項の一つに「毎年7月において、標準規格の導入に係る取組状況等について、別途様式により届け出ること」という項目が追加されました。
求めらている標準規格が「HL7  Internationaruによって作成された医療情報交換の次世代標準フレームワークであるHL7 FHIR」を指しています。

厚生労働省:令和4年度診療報酬改定の概要

従来のSS-MIX2での対応は難しい

徐々に普及してきている医療情報の電子化は、電子カルテを皮切りにIT化が進んでおり現在はクラウドサービス型の電子カルテも登場してきています。
2006年に厚生労働省が開始した「すべての医療機関を対象とした医療情報の交換・共有により医療の質を向上を目的とした『厚生労働省電子的診療情報交換推進事業』(SS-MIX:Standardized Sturctured Medical Information
 eXchange)」

に沿って地域連携システムの全国展開が進んだことで、おおよそ主流な電子カルテが後継規格のSS-MIX2へ対応しています。

医療機関同士の紹介情報共有に主眼を置いたSS-MIS2では、機能開発の容易性も考慮し比較的自由度の高い規格となっており、拡張ストレージという医療機関で自由に設計利用可能な項目が設けられています。
しかし、規格の重度の高さにより使い方が必ずしも標準化されず、医療データのフォーマットが全国的に統一しきれないというジレンマに繋がっていました。

今後全国的に医療情報を統合し、国民一人一人が自身の健康・医療データを管理できる社会の実現のためには共有できるデータの形式が異なることは好ましくありません。
そこで採用されたのが、前述したHL7 FHIRであり導入により、データの送受信が簡便になり情報共有の相互運用性が高まります。

誰でも医療データを体験できるように

医療データは、医療従事者だけでなく国民一人一人の視点からも体験できることが大切となってきます。
HL7 FHIRが普及することにより医療機関から国民への情報共有も可能となってきます。
自身の身体について理解し、現在から将来まで考えて医療データを活用する仕組みを生活の一環にすることが健康増進のみならず保健医療システムの持続可能性の確保に繋がることとなります。

以前noteでご紹介した、『PHR』もその一つです。是非こちらもご覧ください。

まとめ

HL7 FHIRの導入によって保健医療データがあらゆる場所で共有できることは今までの仕組みからは想定しづらく、かつ実用には時間が掛かるかもしれません。
しかし『医療情報を自身の健康を手元に置く』ことは、これから重要となり”国民”と”医療機関”の双方にとって大きなメリットがあります。

診療報酬改定にて明るみに出てきた「HL7 FHIR」をより効果的に活用するために、この記事がお役に立てたら幸いです。


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