見出し画像

好調と実力

9月30日に行われた早稲田大学長距離記録会。
秋のレースシーズン初戦となる5000mで、GMOアスリーツは6名が自己記録を更新しました。
その中で近藤選手と吉田選手が13分36秒台、下田選手が13分42秒台とチーム上位を占めました。この3名はコロナ禍の制限もあった中で、質・量ともに素晴らしい練習ができていました。
下田、吉田の両選手に関しては、青山学院大時代の実績を考えると当然と感じる人も多いかと思いますが、近藤選手の今シーズンの躍進ぶりには驚いている人も多いかもしれません。
会う人や電話で話す人から、チームの活躍ぶりを讃える言葉とともに、
『近藤くん、強いね!』
『近藤選手、絶好調だね!』
と言った言葉も聞くようになりました。

この状況は、私が早稲田大3年時に急成長した時と似ているなと感じたりもしています。
私は早稲田大に入学後、それなりに記録は伸びていましたが、瀬古さんの期待に沿うような成長はできていませんでした。(その原因について書き始めると長くなるので省略しますが)
それが大学3年の秋のシーズンが始まると、出雲大学駅伝で当時エース区間とされていた2区で区間2位、全日本大学駅伝の1区では区間賞を獲得するなど、大事な試合でも期待に応える走りができるようになってきました。
先輩や知人からは、
『絶好調だね!』
『好調が続いているね!』
と言った言葉をかけてもらいましたが、うれしい反面、実は少し不本意に感じていました。
なぜなら、人一倍身体の手入れし、食事改善もしたことで故障が減って、良い練習が継続できるようになっていましたし、本番で結果を出すためにメンタルトレーニングもやっていたからです。
絶好調や好調が続いているのではなく、それだけの実力がついたのだと認めて欲しかったのかもしれません。
『絶好調と言われているうちはダメだ!これが当たり前になって、そう言われなくなるようにもっと強くなろう!』
そう考えて、さらに私は練習に励みました。
その後、箱根駅伝の4区で区間賞(区間新)を獲得。
続く海外遠征でハーフマラソン学生新記録を出したり(後に100m弱短いことがわかり未公認)、4年生になって5000m・10000mの両方で学生歴代2位(当時)で走ったりするようになると、周りから「調子がいい」「絶好調」といった言葉はかけられなくなりました。
(実はそこからが大変で、その後はエースや主力選手としての走りを求められるようになっていきます。そのプレッシャーや苦悩についても、また別の機会に書きたいと思います。)

少し私の思い出話が長くなってしまいましたが、そう言った類似点を感じることもあって、近藤選手がこの後のレースでどんな走りを見せてくれるのか楽しみで仕方ありません。数年後に振り返った時、ランナーとしてターニングポイントとなったと言えるような一年になるとよいなと期待しています。
(もちろん吉田選手、下田選手はじめ他の選手たちの活躍も期待しています)