報知映画賞ノミネートを見ての雑感

数ある映画賞レースの中でトップバッターとして開催される、第45回報知映画賞のノミネートが昨日決まった。という事で、私は今朝そのノミネート一覧を眺めました。

大変だった今年の映画界を彩ってくれた数々の作品、そして応援している沢山の役者さんたちの名前を見た上で、私の雑感を残しておきたいと思います。

そもそも報知映画賞とは何ぞや

報知映画賞は、報知新聞社が主催している映画賞です。1973年に創設され、今年で45回目を迎えます。

毎年行われる各種映画賞レースの中では最も早い時期に発表される映画賞で、この報知映画賞の結果は、映画関係者や映画ファンの中ではすごく注目されます。
というのも、やっぱり年度中トップバッターで発表される映画賞ということから、この結果がその後発表されていく映画賞の目安になるなんて言われているからだったりします。

去年(2019年度/第44回)の報知映画賞の結果

ここで、昨年度の報知映画賞の結果を振り返ってみることにしましょう。

・作品賞 『蜜蜂と遠雷』(石川慶)
・監督賞 佐藤信介(『キングダム』)
・主演男優賞 中井貴一(『記憶にございません!』)
・主演女優賞 長澤まさみ(『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』)
・助演男優賞 成田凌(『チワワちゃん』『愛がなんだ』『さよならくちびる』)
・助演女優賞 小松菜奈(『来る』『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』)
・新人賞
 鈴鹿央士(『蜜蜂と遠雷』)
 玉城ティナ(『Diner ダイナー』『惡の華』)
・作品賞・海外部門 『ジョーカー』(トッド・フィリップス)
・アニメ作品賞 『天気の子』(新海誠)
・特別賞 『翔んで埼玉』(武内英樹)

いや、去年は本当に納得の布陣だった。というのも、私去年の報知映画賞受賞作品は全部劇場で観た(※受賞後公開されたものも含む)んですね。

ここで深く語ると長くなっちゃうのでひとつ言うと、去年はここから始まった「助演男優賞 成田凌」の快進撃が超嬉しかった。成田くん大好きなんだよね。

今年(2020年度/第45回)の報知映画賞ノミネート作に思う事

まず、本当に、映画ファンとして思う。

新型コロナウイルスの影響で様々な制約が設けられる中、エンタメの火をしっかりと灯し続けてくれて、本当にありがとうございます!!!!!!

1月から2月頭までに公開された作品については大きな影響が無かったように思うけれど、それ以降の作品については本当に大変だったと思う。集客然り、番宣然り、公開日の策定然り。

ここでちょっと大枠からそれた推しの主演作の話するけど、千葉雄大君主演の「スマホを落としただけなのに~囚われの殺人鬼~」は2/21公開だったんですよ。公開前の番宣すっごいしてて、なんとか初日舞台挨拶も無事に終えて、その後のコロナだった。だから興収もっといけたんじゃ…とか、私ももっと観に行けたんじゃ…(4回行けば十分とか言わない)とか色々考えたりもしました。
某県でスマホ落とし観てた人が発症したりとかもあったよね。誰も悪くないんだよなぁ、あれも。

緊急事態宣言前後から映画館が閉館になり、推しが出演する映画が続々と公開延期になり、そんな中で公開に踏み切った映画を羨ましいなんて思ったりもした。

でも、そんな作品たちがあったからこそ、映画は、エンタメは、生きてるんだよね。

ちょっと落ち着いて映画館にも行けるようになってきて、ここ最近、私もちらほら劇場で映画を観るようになった。話題の鬼滅も観てきたよ。
映画を観るっていう娯楽が無くなったら、私の趣味がひとつ失われてしまう。そんなのは嫌だ。

今年のノミネート作の数々は、例外はあれど「コロナ禍を乗り超えようとしている」ちょっとした同士みたいなものではないだろうか。

今年度ノミネート作品もしくは人物別、私の雑感

・劇場(行定勲監督)

4月に公開されたこの作品、世間を驚かせたのはやはり「映画館」「Amazon Prime Video」での同時公開でしょう。

又吉さんの原作でぼろっぼろに泣いた私。絶対に映画館に行って観ようって楽しみにしていたのに、4月はとてもじゃないけど映画館に行けるような状況ではありませんでした。
そんなときアマプラで、しかも追加料金なしの通常サービス内でこの作品を観られると聞いた時、本当に嬉しかった半面、それで観ちゃっていいの!?と。
コロナ禍の中で新しい公開の形を取ってくれたのが、この作品の素晴らしいところの一つだと思っています。

主演の山﨑賢人くんが、いつものきらっきらじゃないの。あんな死んだ目をして髭で頭ぼさぼさで、しかもクズな賢人くんがすごく良かった。彼女役の松岡茉優ちゃんがすごく健気で、でも依存に耐えられなくて壊れてしまう、そんなところがきっと本当にリアル。
夢と挫折と人生の闇と、そんなものをもって心をちくちく突いてきた。伊藤沙莉ちゃん演じる女の子みたいな経験してる子も、居るよなぁ…って感じ。

私、原作のラストシーン読んでる時にガチでぼろっぼろ泣いたんですよ。そして映画でもまんまとぼろぼろに泣きました。
まだ青かった時代の思い出のどこか柔らかいところを思い切り攻撃されたなぁ…今年の春の自宅鑑賞の思い出。

※作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞ノミネート

・糸(瀬々敬久監督)

これも泣いたなぁ…。菅田将暉くんも小松菜奈ちゃんも大好きなので、キャスト発表された時点で「観よう!!!!!」ってなってたやつ。

平成に生まれ平成を駆け抜けたふたりの話。
私は昭和ラスト世代なんだけど、正直平成元年生まれとはそんなに歳が離れてないから、生きてきた世界が一緒すぎて余計に心に迫るものが…。

「普通に生きていく」「世界を駆け回る」
この言葉がいつの間にか入れ替わっていくまでに至る、ふたりの気持ち。
一度離した手を繋ぎなおせないもどかしさ。

ちょっと視点移動が多すぎて話が混雑気味だなと思う所もあったけど、そこは名曲補正もあってただ素直に観ればそれで良かったかなという印象。
何せ主演の二人が本当に良かった。大好き。(二回目)あと榮倉奈々ちゃんの熱演がすごい。菅田くんと一緒にぼろぼろ泣いたわ。

泣いている人が居たら抱きしめてあげなきゃね。

※作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞ノミネート

・窮鼠はチーズの夢を見る(行定勲監督)

原作コミックを読んでいて、成田凌くんが好きで、元エイター……つまり私がこの作品を観ないわけがなかった。
そして結果観て良かったなと思った作品。

そもそも私が原作を読んでいる時点でBL耐性があるという前提の話になってしまうのですが、この作品はこのふたりがやってくれて良かったなと。
大倉くんの流されながらも心が傾いていく感じ、成田くんの狂おしい程に相手を好きだという気持ちが溢れ出る感じ、ふたりともとても素敵でした。何せ成田くんのことを初めて「かわいい」という目線で見ちゃったよね。

原作からの改変があるという前情報は聞いていたので、どうなるのかはらはらしていたけど、個人的にはあれはあれで良い終わり方だったと思っています。
あのセリフ…あのシーン…と思ってしまうのは原作既読の悪いところでもあるので、お口チャックしておきますね。

※作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞ノミネート

・浅田家!(中野量太監督)

今回の報知映画賞で最多の8部門にノミネートされている作品。完全にキャストに釣られて観に行ってきました。いや、私、菅田将暉が出てる作品に弱いのよ…。

実話ベースの作品ということで、震災が若干絡むとの前情報もあってお涙頂戴展開になるんじゃないかと思ってたらそんなことも無く。
主人公が写真家だからこそ「撮ること」への重みを感じつつ、でも感情的にならずに静かに私たちに問いかけながら、ストーリーが進んでいったなと思いました。

予告があまりにもキャッチーだったので、本編との落差があったんだけど(笑)爆笑するとか号泣するとか、大きく感情を揺さぶるわけではなく、心の奥をほっこりあったかくしてくれる作品でした。

これは完全にえこひいき的になっちゃうけど、オーラの消えた地味で真面目そうな役が出来るのも、菅田くんは凄いなと思う。
あと、ニノはモデルになった浅田政志さんに激似すぎ。ご本人見てびっくりした。

※作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞(二名)、助演女優賞(二名)、新人賞ノミネート

・ミッドナイトスワン(内田英治監督)

まだ観られてないんだけど、鑑賞した人の熱量が凄すぎて、観たくて仕方ないと思ってる作品。読者投票1位を獲りまくってるところからも、観客人気の高さを感じさせられる。

ロング版の予告編だけ見ても、こういう言葉が正しいのかわからないけど「美しかった」と言うしかない。
あの美しさの裏にどんなストーリーが秘められているのか、やっぱりきちんと見届けたいな。

※作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞(二名)、新人賞

・劇場版鬼滅の刃 無限列車編

マジで2020年最大のおばけコンテンツ。

周りで推しが出来たのに速攻亡くしてしまう悲しい人間をたくさん見たよ…。まだ鬼滅の刃フィーバーは終わらなさそうだね。

※アニメ作品賞ノミネート

・成田凌(複数ノミネート)

主演男優賞と助演男優賞にノミネートされている、今年度の映画界でめちゃくちゃ働いたなって印象の俳優さん。
窮鼠に関しては上で触れたので、他の作品について。

ノミネート作品は
主演男優賞:カツベン!、弥生、三月-君を愛した三十年-
助演男優賞:窮鼠はチーズの夢を見る、スマホを落としただけなのに~囚われの殺人鬼~

私はそもそも成田くん大好きなので、今回のノミネート作品は全部劇場で観ています。正直本当にどれも良かった。
実は、成田くんを認知していなかったうちの母(60代)が、「カツベン!」きっかけでファンになってしまいました。窮鼠は観るなよと釘を刺したよ。カツベン!は番宣もめちゃくちゃ頑張ってたし、本編も相当良かった。活動弁士として話しているシーン、あんなコミカルな演技もできるんだなって新たな一面に感動すらした。

助演男優賞の「スマホを落としただけなのに~囚われの殺人鬼~」は、最推しの千葉くんが主演ということもあって観に行ったし、もちろん前作もちゃんと観ているんだけど、本当に悔しいかな、ノミネートが納得できるくらい成田くんの演技力がすごい。
スマホ落としシリーズ、実は原作にまだ続きがあって、もし映画化するなら成田くんが話の中心人物になるんだよね。東京オリンピックが開催された世界観だし、北朝鮮的な国が絡む話だから実写化できるのか…?と思うんだけど、可能なら制作して成田くんの怪演をまた見せて欲しい。そして原作通り千葉くんや田中圭さんや北川景子さんにもまた活躍して欲しい…。

あれ?スマホの話になったな…?(笑)

・宮沢氷魚(his)

氷魚くんすげー!今泉力哉監督やっぱりいいわー!となったのが、今年の頭に公開された映画「his」でした。

his自体が作品賞としてノミネートされてないのが不思議なくらいなんだけど…本当にこの作品は良かった。
ゲイとして生きていく上での苦悩、子供との関わり、既婚ゲイの現実、そして世間の目。閉塞感のある小さな村で、でも人間関係には不思議と閉塞感は無くて、苦しいんだけど心が温まる、そんな作品でした。

何せ氷魚くんの透明感がすごい。役柄も相俟って、ふわっと空気に溶けて消えてしまいそう。あんなに大きいのに…。
藤原季節くんとのツーショットも絵になって良かったなぁ。そもそもは季節くん目当てで観た作品だったけど、季節くんも氷魚くんも、これからももっともっとたくさんの作品で観たいなと思うきっかけになってくれました。

・岡田健史(望み)

個人的に今めちゃくちゃ応援してる若手俳優さん。

まだ粗削りなんだけど、いろんな作品にばんばん出してもらってる印象で(同事務所の高杉真宙くんとはまた全然売り出し方違うよね?どっちも好きなんですけど)これからもっともっと高みを目指してもらいたい。

ドラマだとMIU404での好演が記憶に新しいですね。だいぶ演技が安定してきた気がする。博多弁はかわいいんだけど、彼は博多出身ではないのでそろそろ方言キャラ脱却させてあげた方がいいと思うんだ…(笑)

望みはちょっとミステリアスな役どころで、今じゃなきゃできない役柄だなと思いました。今後も待機作たくさんあるから期待してます。

語り切れないけど総括

ここまでで5000字超えてるんだけど読んでる人居るの!?
罪の声とかアンダードッグとか、三木孝浩監督作品の話も、一度死んでみたの吉沢亮くんの話も関水渚ちゃんとか奈緒さんの話もしたかったな…(どんだけだよ)

というわけで。
無理矢理まとめに入りましたが、報知映画賞、その他この記事内で挙げなかった作品や役者さんたち含め、結果をとても楽しみにしています。わくわく。

いただいたサポートは、推し活の合間のおやつやコーヒーになったり、巡り巡って他の方を推すために使わせていただきます!広がれ推しの輪。