マガジンのカバー画像

クリエイティブキャリアコーチング

32
コーチングに興味がある方、現在セッション受けている方へ・・・貴方の価値と可能性をより探求することをサポートするマガジンです。https://www.timeticket.jp/i…
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

私にとってコーチングは美術鑑賞と同じくらい尊い

ある時出合った「魂が震える感覚」私は「魂が震える感覚」をいつだって覚えています。 震えるときは呼吸をすることを忘れ、視界が明るくなり、眼球を水分が包み込み、全世界の中でその対象と自分しかいない感覚になります。 魂が震える感覚は、私のニーズです。 つまり、「自分が最も自分らしくあるために、持っていなくてはならないもの」であり、それがあると幸福なのです。 宝石のような光が降り注ぐある日、私はカフェで新聞を読んでいました。 とある記事に目が留まり、じっくり文章を読むに連れ、呼吸

ネガティブな経験をした時の処方箋

経験の「昇華」文章を書くときは、内なる感覚に忠実になることを大切にしています。 私にとって満足する文章が書けるときは、決まって心のどこかに釈然としない気持ちがあるときです。通常、そのような感情は遠ざけたいものですが、最近では「お、”栄養” がきた」と少しだけ受け入れ姿勢でいる自分に気が付きました。 このようなスタンスは、実はアーティストの感覚に近いのかもしれません。 非常に多くのアート作品はアーティストの悲しみの「昇華」であり、鑑賞者の悲しみも作品を鑑賞することによって

周りの評価をはねのけた先にある美しさ

” 美には二つの種類がある。一つは本能から生まれてくるもの、もう一つは入念な研究の結果から生まれるもの " ―― ポール・ゴーギャン 美しさは、天性のものだけではない。 突き詰めた研究の結果から生まれる美しさも存在する、という素晴らしい示唆を残してくれています。 とても興味深いのは、とりわけ研究の結果から生まれる美は、その素晴らしさを万人から理解されづらいことがある点です。 「混乱なんかしてねえよ、バカ」アクション・ペインディングで有名なアメリカの美術家、ジャクソン・ポ

今こそ大切にしたい3つの「余」

① 余分小説を読む時間を大切にしています。 最近は専らビジネス書や専門誌でしたが、必要なことだけコンパクトに詰め込まれたその様に少しだけ飽きてしまったのかもしれません。 小学生の頃に背伸びして買った小説「ホリー・ガーデン」を、しっとりした気持ちと共に読み終えました。(30歳を目前にした2人の女性の物語。小学生の私には少し早すぎる内容だったと思います) なぜだか昔から、余分なものが好きです。 それはたとえば誰かのことを知りたいと思ったら、その人の名前とか年齢とか職業とかでは

「挑戦」に対する解像度をあげてみた

挑戦が生み出すインパクト先日、某美術大学のある学生で、なかなか自分の絵が売れないと嘆いている学院生がいました。在学中に絵が売れるのは稀だと思いますが、彼の絵は画商の私が見ても将来性のある面白い絵だと思いました。 「思い切って1500円個展をやったら?」と提案してみました。 最初はあまりイメージが湧かなかったようですが、そこで私は「1500円でも元を取れる作品をつくったらいいじゃない?」といいました。 アーティストにはそういう発想が必要です。なんなら河原で石ころを拾ってきて、そ

問い続けた末に生まれたもの

常に問いを持って生きているか、そして、その問いの内容によって、私たちの発想の幅・質はかなり変わってくるのではないでしょうか。今回は、「問い」について探求したいと思います。 「日本人の死生観」とは何かLady Gagaが着用したヒールレスシューズで脚光を浴びた舘鼻則孝氏は、3.11 の体験をきっかけに自身の生と死を見つめてきたといいます。 その表現のうちの1つが「CAMELLIA FIELDS」。個人的にかなり好きな作品です。 「僕は武士の町として知られる鎌倉で育ちました

意識しすぎると死んでしまうもの

偶発性が生み出す魅力「アートから感じる魂を、呼吸とともに取り入れたい」 そんな内なる欲求から外へ出るのですが、行き先はその場で決めることが多いです。「ここで〇〇を観るんだ」というより、「銀座のどこかでアートを観れたらいいな」という無計画さが気に入っています。 その方が、もっともっと感動がある気がするから。 事前知識をばっちり入れて行ってしまうと、何かを失ってしまいそうな気がするのです。 そんな無計画な旅で出合ったのは、井田幸昌の作品でした。 Crystallizati

クリエイティブであることにこだわってみる

クリエイティブとは?「クリエイティブな人」と聞いて、どんな人をイメージしますか? 私にとって、前に紹介したアルベルト・ジャコメッティは間違いなくその一人ですし、私とアートとの距離を近づけた会田誠もクリエイティブな人だと思います。そして、常識から逸脱したアートを生み出したこれらのアーティストもきっと含まれるでしょう。 私の中でのクリエイティブの定義は、「人とは違う考え方/捉え方を発信すること」だと思っています。 クリエイティブな人って、「これ大丈夫・・・?」「なんか凄そう・

不安定を楽しまないでください

不安定な作品、ヴァロットンの魅力部屋を掃除していたら、ヴァロットンの図録と再会しました。 フェリックス・ヴァロットンは、画家でもあり、版画家でもあります。実は、私、彼の作品から感じる「不安定さ」の虜なのです。 ■ ボール(1899年) ■ 貞節なシュザンヌ(1922年) ■ 嘘 <アンティミテ>Ⅰ(1897年) 私の言う「不安定さ」は、"絵から伝わってくる感情" や "タイトル" から感じます。 例えば、今回は人物が描かれている作品を並べましたが、その人物の感情がわ