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大瀬良投手 ノーヒットノーラン達成

 6回か7回が終わったくらい、「あれ、ノーヒットだよね?」と気がついた。しかし、解説の山内さんは何も言わないし、菊地原コーチは普通に大瀬良投手と話している。続投なら、新井さんが行かないのは当然だし、あれ?

 佐々木朗希投手や戸郷投手のときには、試合中にネットニュースに「継続中!!」とか出ていた気がする。

 末包選手初盗塁の記事は出ているのに? パーフェクトではないから? 伝統の一戦ではないから? カープだから? あるいは私の知らない、なにか別の条件ですでに阻まれているの?

 9回のマウンドに向かう大瀬良選手への大声援。そして山内さんの「もう言ってもいいでしょう」
 ああ、やっぱり今すごいことが起きているんだ。

 でも、9回2アウトで! とかもよく聞くし、引退試合とか記念日とかには弱いカープだし。まてまて、落ち着け。と我が家もにわかにざわざわする。
 夫はちょっと見ないようにするとか言い出して、大瀬良投手が大好きな娘は、テレビに「大ちゃん、大丈夫だよ!」と呼びかけている。

 テンポよく2アウトを取った後、の連続四球。生まれてはじめて、文字通り固唾を呑んで見守った。

 マウンドに菊地原コーチが向かい、選手たちの輪ができる。
 そのときの様子を見て、私はこれはいけるかも、と思った。
 選手たちがみんな笑っていたから。もちろん緊張はしていたと思うけれど、表情は明るい。大瀬良投手自身も落ち着いて見えた。

 このとき菊池選手が「みんなであとひとつアウトを取ろう」と言っていたそうだ。「大瀬良のために」でも「絶対に守る」でもなく、「あとアウトひとつ」を「みんなで」

 この試合、奪三振はふたつ。
 他のアウトはすべて野手がさばいた。中盤以降、矢野選手も小園選手も、いつもより丁寧に、ワンテンポ遅くなっても、きちんと握って送球しているように見えた。
 連敗中に続いたエラーが、まるで今日のための布石だったかのように思えてくる。

 ポランコ選手の豪快なスイングに一瞬ひやっとする。ライトに飛んだボールに「野間さん!」と叫んでしまう。菊池選手が今日一のスピードで走って、止まった。
 ボールは野間選手がつかんで、ノーヒットノーラン達成。

 會澤捕手が大瀬良投手を抱え上げて、小園選手が満面の笑みで飛びついて、菊池選手は松山選手に跳び蹴りした。

 二度の満塁で無得点、秋山選手のスライディングキャッチ、末包選手プロ初盗塁、矢野選手の挟殺プレー、野間選手のチーム67イニングぶりのタイムリー、小園選手のバースデータイムリ―。

 いろいろありすぎた試合、最高の結果になって、まるで優勝したかのようにはしゃぐ選手たちの笑顔が見られて、嬉しい。

 大瀬良大地投手、おめでとうございます!

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