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羽生七冠 と 藤井七冠

 羽生九段が七冠独占を成し遂げたとき、高校生の私は将棋のことなどまったくわからないのに、ものすごくワクワクした。
 あっという間に七冠になった印象があったが、調べてみると最初の機会は、当時の谷川王将によって阻まれている。それから一年、六冠を全て防衛しながら再び王将戦の挑戦権を得て、史上初の七冠独占を達成していた。

 私にとって、羽生善治さんは羽生名人でも羽生九段でもなく、やっぱり「羽生七冠」と呼びたくなる人だ。
 無冠となったことがニュースに流れても、それがどうした「永世七冠」はただひとり! と思っている。

 さて、今最も勢いのある棋士は間違いなく藤井七冠だろう。あっという間に七冠を手に入れ、羽生七冠の頃にはなかったタイトルも奪取して、史上初の八冠独占が目前である。
 王位戦の防衛に成功し、来週から最後のひとつである王座戦がはじまる。

 だけど。

 もう少しだけ待って、という気持ちが抑えられない。藤井七冠が素晴らしい棋士であることは誰もが知るところだし、八冠を独占する日もきっとくるに違いない。
 そうわかっていても、もう少しだけ「羽生七冠」を超えることは待って欲しい、と思わずにいられない。

 私などがそう願ったところで、なんの影響もないこともよくわかっているけれど。

 「藤井八冠」誕生の前に、「羽生七冠」の100期達成を見たい、と思うのだ。

これまでに、頭の中に浮かんでいたさまざまなテーマを文字に起こしていきます。お心にとまることがあれば幸いです。