潜在意識を説得することにした

私はスペインが大好きだ。いつか、スペインに移住したいと考えている。
具体的に言えば、アンダルシア州のセビージャに移住したいのだ。
だから、そのためにいろいろ考えたし、チャレンジもした。

東京オリンピック2020の前年、私はセビージャ市長宛に、セビージャの人のためになることをしたいとメールを送った。メールを送るのに、市民番号なる物を入れなければいけなかったけれど、日本人の私が、そんな番号を持っているはずがない。なので、しらっと携帯電話の番号を打ち込んでみたら、すんなりメールが送れてしまった。ラッキーと思っていたら、市長の秘書さんから返信をもらったのだから有頂天になるのは当たり前だろう。
そのメールには、あなたの志は素晴らしい、だから私は商工会議所にメールを送ることを提案すると書かれていた。
商工会議所か!と思ったけれど、そのメールには担当者の名前どころか、どこにメールを送ればいいのか、アドレスの記載がなかった。
しかし、ここで諦めてはいけない。私は、セビージャの商工会議所のサイトに飛び、散々探したあげく、、、、、唯一、記載のあったアドレスにメールを送ったが、いまだに返信はない。

スペインが、外国の起業家を支援するという記事を発見し、それならばと
キッチンカーでたこ焼き屋をやろうと、ある投資家に話してみたら興味を持ってくれた。こういう意図で、こういうふうにしたいとプレゼンをし、
それなりの感触を得たのだけれど、スペインではイベント会場以外での
キッチンカーの運営は禁止されていることがわかり、計画は頓挫してしまった。

ここまでは、計画はたてたけれどダメだったで笑える話だけれど
最大の失敗は、これだ。

セビージャに移住するなら、日本人専用のシェアハウスを運営したい、それを私の稼ぎにしようと目論んでいた。なので、ある時、私はセビージャに飛んだ。現地の友人と不動産を巡り、これは!という物件に出合ってしまった。帰国後、私は金策に走り回った。もちろん、現地の不動産業者ダニエルさんとも頻繁にやりとりをしていたのはいうまでもない。
ある時、彼はこういった。20万円振り込んでくれたら、しばらくの間、物件は抑えられる。もちろん、あなたがお金を工面できなければ、20万円はお返しすると。
私は、鼻息も荒く20万を振り込み、金策に走ったけれどダメだった。そのことをダニエル氏にメールすると、わかった、お金は約束通りお返しする。と。
あれから5年近く経つけれど、いまだに20万円は戻ってこない・・・・

先日、某会社の求人に応募した。もちろん、スペインがらみだ。
スペインへの熱い思いを語り、たこ焼き屋の企画書を送り・・
私の経歴も企画書も大好評で、前向きに選考を進めていたが、多くの募集があり、今回は見送りとさせていただく。
と、無情の不採用のメールがきた。

なぜなんだろう。私は、こんなにもスペイン、いやセビージャに移住して
向こうで暮らしたい、向こうで仕事をしたいと考えているのに
なぜ、ことごとく、拒否されるのだろう。

悲観に暮れ、思いを巡らしている間に、気がついた。

セビージャに移住したいと、意気込んでいるのは、私の顕在意識だけなのではないか。潜在意識は、「いやいや、そうは言っても無理だよ。非現実的。セビージャに移住するなんて、夢の話、いつまでしてんのかね〜」と、思っているんじゃないか。
いや、そうに違いない。間違いない。
顕在意識の熱い思いとは裏腹に、潜在意識は、冷静だ。

今、移住できる状況なのか?
1歳にも満たない黒猫2匹を連れて行けるの?
当面の住む家はどうする?
移住後の仕事はどうする?
向こうでシェアハウスをするって?マンション買えなかっただろ
親しくしているスペイン語の先生が現地にはいるけど、力になってくれるの?
日本の家を解約して、家財道具はどうする?
高齢の母親についてどうする?
面倒臭い姉をどうする?   エトセトラ

オーケー、潜在意識が納得してくれるように、それぞれの疑問に答えを出そうじゃないか。
潜在意識が疑問に思うだろう部分を、すべて潰して、奴を説得する。

とにかく、説得材料を提示し、潜在意識を納得させる。

さぁ、どうなるか。
私のセビージャ移住計画が、今、始まった。






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