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~人間が良いことよりも悪いことに強く反応するのは,生きていく上で強い適応性があるからである.~

Baumeister, Roy F., et al. "Bad is stronger than good." Review of general psychology 5.4 (2001): 323-370.

心理学者のロイ・バウムマイスターらは"Bad is Stronger than Good"の中で悪い記憶が強く残ると述べている.
毎日のネットのニュース記事やテレビニュースも世界で起きている戦争や災害,金融の危機,病気の話でいっぱいである.悪い話は,『そんな話は聞きたくない』と言うことはできても,実際,世の中,悪い話であふれている.
どうして,そんなに悪い話があふれているのだろうか?私が参加しているグループではWeb会議を始める前に,Good and News 24時間以内に起きた良いことを語るということを行っている.Use it or lose it. 使わないと忘れてしまう.だから,良いことを語ろうというのだ.実際,良いことは,たくさん世の中にはある.こうして,生きながらえるのも,明日が無事に来るのも,十分幸せな良いことだ.

 なのに,悪いことのほうが記憶に残る.悪いことを記憶に残して,次に来る危機に備えるのは,人間の生存のための本能である.

そして,私たちは,悪い話が大好きである.
もう一度言う.「私たちは,悪い話が大好きだ」
ならば,ネガティビティバイアスを堪能しようではないか.ヤバかった,どきどきの,ぎりぎりの話をたくさん集めて,そこから生き残るための方策を考えていこうと思う.

ところで,良い話,善い話はどんどん他でやっていただけばいい.きっと世の中が良くなるだろう.


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