鉄仮面だけでは中身は隠せない

ここ1年位、各所のVtuberさんに疲れが見えてきている気もします。
企業勢に至っては運営の疲弊も目に見える形で色々ありました。
その疲れはちょっとした休止だったり、とんでもないトラブルだったり。


今の仕事についてから5年ほど経ちますが、先日「自転車」を引っ張り出してきました。
ベランダの片隅に置いてあった折りたたみ自転車なんですけどね。
DAHONとかいう、なんかちょっとお高いやつだったんですが、タイヤの空気入れが仏式とかいうやつで普通の空気入れじゃ入らないっていう罠があり、購入後数ヶ月で乗らなくなってしまった曰く付き。
なんて引っ張り出してきたかというと、目と鼻の先に自転車があるのを先週発見しまして、放置期間も長かったので点検がてら、空気を入れてもらおうと持ち込んだわけですよ。
そこそこかる~く見てもらい、空気も充填。
久しぶりに自転車を乗り回しましたが、使わない筋肉に負荷が掛かるのがわかりましたね。
流石に駅チカ物件だけあって、基本徒歩+電車という移動手段で事足りるため、車や自転車がなくても困らないのですが。
でも、久しぶりに自転車でバーっと走ると気持ちが良いものです。
これから気候も暖かくなっていくので、ちょっとした運動代わりに使ってみようかなと思った次第。



本題



疲れ。
これはどんなことをしてても溜まるもので、一定を超えると身体が重くなったり、思考が効かなくなったりと色々な弊害を生みますね。
「どんなことをしてても」というのが大事で、仕事などのつらーいことをしてるときには明らかに感じ取れるけども、楽しいことをしていても「気付かないうちに」疲れは溜まるもの。
例えば旅行に行って「楽しかったけど疲れたねー」というように。
つまるところ「活動する」=「疲労が溜まる」なわけです。

で。
Vtuberさんに特に言いたい。
も っ と 身 体 を 大 事 に し ろ。

まぁ、万人に言えることでもあるわけですが、Vtuberはガワのせいで疲労が見えにくくなっているのではないかと思うのです。
疲労というものは、まず顔に出てくるものなので、顔出ししている普通なYouTuberさんは、その評定などから「あれ。なんか疲れてる?」と見れるものですが、Vtuberは「鉄壁の笑顔」があるので、なかなか読み取れない。
表情トレースでそこそこ出ますよ、ということもあるかもしれませんが、あくまでもキャラに張り付いた表情筋をなぞっているだけで、そもそも顔色や目線などの細かい部分までは見えません。

なので、最初に疲労として出てくるはずの顔が読み取れないので、ファン側には一切伝わることがなく、伝わってくる頃には手遅れだったり、割と重症化している瞬間だったりします。
こうなると長期的な休みであったり、活動間隔を空けたりしなければいけないわけですが。
企業側であれば、この辺りはマネージャーなりの運営がカバーできることでもありますが、個人勢となればそうもいかず、自ら予防線なりを張ってもらうしか無いのがなんとも。

「魅せる側」とすれば、ファン側の期待や反応を見るために「多少の無理」をしがち、またはしたくなるのもわからなくはないですが、疲れを溜め込んでまですることではないと考えます。

疲れというのは病気と違って「多少の無理」をすれば、何とかなるものであるので、軽く見られがちです。
最初に記した通り「身体の重さ」「思考力の低下」のほかにも「集中力散漫」「マイナス思考」などの負の連鎖と呼ばれる入り口に至るものです。
こと「マイナス思考」が入ってくると厄介です。

多少の無理が効くのは「体に変調を来すまで」がその範囲。
「体に変調を来した」ときは、もう手遅れで「疲れ」が「病気」にすり替わっている事も多く、回復には膨大な時間を費やすこともあります。
これが精神的な部分の疲労であったとしたら、もっと根が深く、活動そのものに関わることにもなります。

そうなるとファンへ「楽しい時間を魅せる」事ができなくなり、ファンも大きく動揺することでしょう。
演者本人も自分の不甲斐なさを嘆いたり、自由にならない身体を恨むかも知れません。
それこそが「疲れ」がもたらす負の連鎖です。
このルートに入るとなかなか抜け出せず「自分はなんて駄目なんだ」「もっと活動してファンに届けなきゃならないのに」と考えるものの、思ったことが出来なかったり、望んだクオリティが出せないと、余計マイナス思考に陥り、ついには「うつ状態」へ、なんてこともありえます。

いやいや、自分はそうはならないよ、と思っている人ほど、こういう状況になりやすいということも付け加えておきましょうか。
それは私自身も経験してきたことであり、うつ状態に入ると最短でも半年以上の治療を必要とします。
もう大丈夫だと思っても、ちょっとしたきっかけで戻ることもあり、本当に長い長い戦いになります。
こうなると配信どころではないですし、半引退状態で、自身もファンもすっきりしないときを過ごすことになるでしょう。

なので「長く続けたい」のなら「休むこと」です。
「あー。今日は何だか気が重いなぁ」くらいでも休んで良いんです。
その分、次の機会に取り戻せば良いんです。
あなた方は確かに「Vtuber」かもしれませんが、その前に「自身の魂の存在」があってこその「Vtuber」であることを大事にして欲しいと思います。

もしも、一回休んだくらいで「ファンやめます」とかいうやつを気にするのであれば、放っておけば良いんです。
そんなやつはファンでもなんでも無い、ただの通りすがりのモブです。
名前も与えられない「ここは始まりの村」しか言えない村人Aと一緒です。
話しかける必要もないような存在を気にするのであれば、応援するファンを気にかけてあげてください。

実際、本当にファンなら、あなたの最高のパフォーマンスを望んでいるはずで、その最高のパフォーマンスを見れるのであれば、多少の充電期間も理解してくれるはずです。
ファンとして一番悲しいのは「その活動を見られなくなること」であって、「休みを取る」だとか「放送予定を変える」というのは些細なことのはず。
だから、無理をしないで「疲れたら休む」ということをして欲しいです。


ファン側も「過度な期待」を見える形でぶつけることも控えるべきかと思います。
「えー、楽しみにしていたのに」というような、感情に訴えかけてしまっては、あちらも「心」を持つ相手です。
気にするなという方が無理でしょう。
そういった声が上がらないように無理をさせてしまうことがある、またはその一因になりかねないことは頭の片隅に置いておくべきかと思います。

確かに楽しみを取り上げられたように感じるかも知れませんが、例えば「毎日配信」することがどれほどの労力か、ファンサービスにどれだけの時間を割いているのか、というところまで考えたことはあるでしょうか。
自分自身の生活以外にもVtuberとしての活動時間もあれば、他に掛けなければいけない時間もあるでしょう。
ましてやVtuberの活動時間は総じて「夜間」や「休日」といった、多くの人が見れるよう配慮してくれたものです。
ファンがゆっくりとパソコンを前に、スマホを片手に活動を見る時間帯に、Vtuberは「活動」しているのです。
自分の身に置き換えてみると、なかなかハードだと思いませんか?

なので「Vtuber」という存在は「生きている存在」であることを今一度、演者もファンも認識し直すことが必要だと思います。
「生きている存在」だからこそ、惹かれる魅力があるってものだと思いますが、皆さんもそうではないですか?
生きている以上、疲れも溜まるし悩みも出る。
そんな中で楽しい時間を提供し、享受する。

Vtuberの皆さん、あなたたちは思っているほど、強くは出来ていない。
ファンの皆さん、あなたたちが思っているほど、Vtuberは完璧な存在ではない。

結論としては、ここ最近忘れ去られつつある「思いやり」をお互い持って行きましょう。
それが、この界隈を長続きさせ、楽しい時間を伸ばす、答えの一つであると考えます。
これが完璧な答えであるとは思いませんが、少なくともこれまで過ごしてきた人生の中で、一度は精神病で崩れた経験者として、経験論ではありますが「答えのひとつ」であることは確かだと思います。

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