モノサシの使い方

V界隈だと一つの区切りとも言える、四天王のYoutube登録者数を上回るという指標。
3年ほどしてその一角が崩れたとかなんとか、ちょっと話題になったり。



コロナ禍に突入しかけた4月頭に、勢いでカスタムIEMとか買ってしまいました。
Unique MelodyのMaverick Ⅲとかいうやつ。
良いイヤホンにするんだし、どうせならプレイヤーも更新するかと言うことで、長年の相棒だったWALKMANシリーズから脱却して、FiiOのM15なんかに手を出してしまいました。
最初はHiby R6 ALとかいうそこそこの価格帯のDAPにしたのだけども、これの電磁ノイズがひどくて、街中をぶらつくだけで、じーじ…じーじ…と鳴るので、良きイヤホンとは言っても、これはストレス。
M15にしてからは電磁ノイズもなくストレスフリー。
さすが、全方位物量投入の謳い文句は伊達じゃなかった。
最初からぶっ込んでおけば良かったなと後悔しつつも、勉強代として納得。
環境的には生きてきた中で最高の環境、かつ最高額の機材。
ここまで持ってくるとさすがにプラシーボだろうと思ってたハイレゾも生きるなと。
耳が幸せとはこのこと。
M15にしたことで、Amazon Music何かとも連携取れるので、聞ける曲の幅が広がった感じ。
あとは、このでかい筐体を持ち運べる良いキャリングケース的なのがあれば完璧。



さて本題。
Vtuberの四天王として長らく君臨してきた、キズナアイ、輝夜月、ミライアカリ、電脳少女シロ、(一部略)のうち、ミライアカリと電脳少女シロのYoutube登録者数を抜いた白上フブキ。
V界隈のメディアなんかは「ついに四天王を抜く!」なんて見出しをつけていたり、「一つの歴史が終わる」なんて書き方があったりと。
あとはひっそりとファンが愚痴をこぼしたりと。
ただ、公的にはあまり荒れた様子もなかったのでは?

私個人としても一つの通過点だなとは思いました。
某提督のような「この一撃こそが歴史を変える…」とかいう大層な感覚はなかったですが、それでも「四天王一強」では居られなくなった環境というのは、黎明期からVtuberを眺めてきた者として、感慨深いものがありましたよね。

キズナアイが活動を始めた頃は、Vtuberという概念もまだあやふやで、当時「箱」もなく、いわゆる個人勢が多く参戦してきた時期にあって、不動かつ圧倒的な人気で黎明期に台頭した彼女たちの勢いは凄まじいものだったと。
最初は「アニメキャラがYoutuberのマネしてるだけでしょ」と言われ、むしろ逆風か、と思うような感じだったと記憶してます。
日本人て見知らぬ新しいものにはアレルギーありますよね。わかります。
なんやかんやで「アニメキャラがYoutuberしてる」から「Virtual Youtuber」という名称を経て「Vtuber」となり、大きな市場を作り出した功績は、ただただ尊敬です。
市場全体の盛り上げというのもあるけれど、前線で牽引していたのは、やはり四天王かなと思います。

ただ、Youtuber同様、Vtuberという市場が開いて1年ほど経過すると、トラブルも目立ち始めました。
個人勢の良し悪しはあったとしても、大きく目立ったのは企業勢の方だったようにも思えます。
VtuberのVtuberたる本質の「魂」に起因するものが多く、運営する側と演じる側の意識の差がすれ違ったトラブルがほとんどのような気もします。
円満に解決したところもあれば、泥仕合になったところもあり、いずれにしても「企業体質」を問う声が強くなったのも印象深かったです。
個人に至っては、増え続けるVtuber界隈の中で伸び悩み、引退する方々も一気に増えてきた感はありました。
炎上商法や◯◯人に満たないと即引退、なんて爆発力を求めても、1日数百人と増え続ける市場では、あっという間に埋もれてしまって、目立つ前にかき消されてしまってました。

Vtuberの市場が2年過ぎる頃には、四天王よりも「箱」が台頭してきた感じがあります。
四天王に続き、にじさんじ、.LIVE、ホロライブ。
特に、にじさんじのライバー大量導入は目を見張るものがありました。
おいおい、にじさんじ所属メンバー1人1時間の配信で、24時間放送し続けられるぞ!と驚いていた時期も懐かしく感じるくらいに、今は大所帯になってしまいましたが。
次いで.LIVE。
にじさんじのLive 2Dと画した3Dモデルで構成したアイドル部も展開してきた辺りで、箱として大きく盛り上がってきたと思います。
そして、ホロライブ。
黎明期には四天王ほど爆発力がなかったようですが、ときのそらを中心に所属ライバーを増やし、AZKiや星街すいせいの歌上手い勢と連携して、地道に箱としての存在感を増してきたと思います。
この頃になると、四天王 > 大手箱 > 黎明期からの企業勢・個人勢 > 新規参入組という構図が落ち着いてきた感じですね。
四天王のYoutube登録者数はまだまだ圧倒的で、大手箱所属のライバーが登録10万行った行かないくらいの感覚だった気がしてます。

そこから更に一年で、四天王という存在は一気に薄れてしまったように感じました。
というのも、キズナアイの人格分裂問題、ミライアカリの所属事務所ENTUMの撤退、電脳少女シロ所属の.LIVEのアイドル部問題と、活動上のマイナス面が尾を引くようになりました。
特に.LIVEのアイドル部問題は、所属のライバー全員の登録者数が一気に減らしてしまう事態に発展し、大きな影響だったと思います。
未だに許されてない感もあったりなかったり。
反面、相変わらずハイペースでライバーを大量供給するにじさんじと、ホロライブの2期生、ゲーマーズ、3期生の連続投入。
道中トラブルは有りはしたものの、アイドル部ほど尾を引くものでもなく、堅実にその存在感を確かなものできたことは、勢力を塗り替える一因になったのかもしれません。

そして、2020年7月15日に電脳少女シロ、7月24日にミライアカリのYoutube登録者数をホロライブ所属の白上フブキが抜き去る状況に。
これを書いている時点では、ホロライブの戌神ころね、湊あくあが約59万人とこれを追い、田中工務店の田中ヒメ / 鈴木ヒナが約60万人、にじさんじの月ノ美兎が約57万人となっていて、ここ最近のミライアカリ、電脳少女シロの伸び率を鑑みると、彼女らも「一線」を超えることは難しくないかもしれません。


と、ここまで数字の話をしました。
確かに「Youtube登録者数」というのは人気度合いを図るための指標にはなるかもしれません。
ただ、個人的にはVtuberの「優劣を決める指標」ではないと考えます。
確かに何千何万ものファンを抱えるだけのものは持っているのかもしれませんが、Youtube登録者数が例え一桁のVtuberであっても、そのVtuberだからこそ持てる強みや輝き、魅力というものがあります。

界隈全体で一万人を超えると言われるVtuber界隈で、視聴者側が全てのVtuberを追うことは、もはや不可能です。
推したいと思うVtuberを見つけ出すことも困難でしょう。
だからこそ、黎明期からのVtuberや「箱」に人気が集中してしまうのも、仕方ないのです。
話題になれば、その分市場に出る情報も濃くなり、新しくVtuberを見ようとする新規ファン層は流れ込みやすい状況が形成されてしまいます。
つまるところ「人気どころは伸びやすい傾向にある」ので、人気どころに属さないVtuberは必然的に機会損失してしまう結果となります。

私個人としては、人気どころとして猫又おかゆ、戌神ころね、白銀ノエル、桐生ココ、静凛、燦鳥ノム、もこ田めめめ辺りを追っていたりしますが、帰結するところは「えのぐ」というグループに落ち着きます。
彼女らもVtuber黎明期に旗揚げをした、ある意味「古参」のメンバーに入るでしょう。
それでも今はYoutube登録者数は伸び悩んでいますし、もはや新規のファンを獲得できるのかという疑問さえありますが、それでも「えのぐ」は先に挙げたライバー以上に推せるのです。
早くからVRデバイスを使った体験会(握手会)やライブなども開催し、全国行脚をした実績から言えば、大手のライバーたちに引けを取らない活動実績を持っています。
他にもVSinger勢に偏りますが、波羅ノ鬼、ViANKiE、ヴィヴィアン・ケンジントン、石燕霊歌、音影カナ、しかさん(身内向け)などなど。
人から聞いた、名も知らなかったVtuberでも、惹かれるものはあったりするのです。
なので、決してYoutube登録者数が多い=卓越した能力者である、とは思えません。


白上フブキが電脳少女シロのYoutube登録者数を超えたときも一部で囁かれた「四天王にはなり得ない」「王者には向いてない」という意見がちらほら見えました。
これについて、個人的には「四天王」という称号を勝手に与えて、その聖域が侵されるとなれば、勝手に「外敵」とする身勝手さに、ただ「信じるものを、己が信じるままにしておきたいという逃げ口上」と思っています。
白上フブキ本人にとっても「四天王に成り代わってやろう」「絶対王者になってやろう」と思って、行動してきたわけではないと思います。
私は白上フブキではないので、もしかしたら野心はあったかもしれませんけども。
ただ、普段の彼女の言動を見る限りは、ミライアカリや電脳少女シロを叩き落とそう、四天王の座から追い出してやろうと画策しているとは思えません。
むしろ、その次のステップをどうするか悩んでいたりするのではないでしょうか?
そういう中で「四天王にはなり得ない」「王者には向いてない」という意見を投げかけること自体、無意味ですし、そうすることで彼らの言う「四天王が今まで築いてきた功績」を汚すことになると思います。

先に記した通り、キズナアイを始めとした、いわゆる「四天王」の活躍があって、今のVtuber市場が開けた実績は、これから先、誰も代わることもできません。
最初に先人が未開の地を切り開き、次に大きく発展させ、そして次の高みへ登っていく。
キズナアイ、輝夜月、ミライアカリ、電脳少女シロはVtuberという市場を切り開いた。
きっと白上フブキやそれを追うVtuberは、この市場を発展させていく、次の高みへ市場を押し上げる役目なのだと思います。
そしていずれ、白上フブキをも超えるVtuberが現れて、新しい時代が始まっていく。
歴史というのはそういうものだと思います。


これからも黎明期を駆けた「四天王」を超えていくVtuberはいくらでも出てくるでしょう。
その時に同じことを、同じセリフを繰り返しますか?
愚痴を吐くよりも、推しを応援して楽しんだほうが、よっぽど健康的だと思います。
Youtube登録者数という数字を気にしてしまうのもわかります。
でも、これは決して優劣を決める数字じゃないです。
自分の推しを信じて、応援して、ともに楽しむことが、今のVtuber界隈では一番なのかなと思います。

ただ、余裕があったら少し周りを見渡してみてください。
知らないだけで、推せるVtuberが居ると思いますので。
コミケで目的のサークル以外にも見て回るような感覚で、是非。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?