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ろろこちゃん

誰かが派手に転んでいた 意地悪精神と寄り添いながら存在してるため(生きてるため、って言いそうになっちゃった 感情 思考回路が 生前と変わらず稼働してるから死んだって表現がピンとこない)転んだ場所を見に行った 二十歳ぐらいの男の人たちは派手にすっ転んだらしい青いチェックのシャツ(私はチェック柄を身につける男が嫌いだ)を着た男の人を笑っていた

彼らが遠ざかるのを確認し 階段の一番下にしゃがみ込んだ ここの階段は一段一段が高めで 同じ段でも 傾きや でこぼこがあってあんまり階段自体は全然綺麗じゃない 鳥のフンもある…

ただ隙間から雑草が生えていたり 紫色の花が咲いている 壁には苔もある 上り下りせず、眺めるだけなら良い階段だ

雑草でもかわいい花ってあるけどやっぱり雑草なのだろうか

小学校の頃掃除の時間 草むしりは苦手だった かわいいお花も引っこ抜かなきゃいけなかったから ずっと咲いていていいのに 咲いていてもラフレシアとかじゃないんだから 害もないのに 緑の葉っぱたちが消え かわいい小さな花が消え 味気ない土だけの状態を みんなは綺麗だと言っていた みんなの綺麗は健康な茶色 その茶色に均等に配置されたパンジーやチューリップのみが綺麗なんだ

列からはみ出したわけじゃない最初から外されていた花

晴れの日って眩しくない?楽しいの?雨の日って気持ちいい?それともだるい?花って死んだらどうなるの?幽霊になれるの? 意味のない会話をしばらく続けていた もし幽霊になったら私の身体においで いろんな風景を透かしながら そよそよ揺れよう



#物語 #絵 #写真 #イラスト