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漢方診察室のYouTube配信をはじめてみた

 久しぶりにノートに投稿します。podcastで「漢方診察室」を配信してきましたが、その原稿の多くをノートの形で作成していました。しかし、シーズン6からYouTube配信も同時におこなうこととしました。YouTube配信を始めるにあたって、簡単なスライド作成をして、そのスライドを動画として利用するとともに、同時に音声も収録するようにしたためにノートを利用することがなくなってしまいました。
 今回は、これまでに20本以上のYouTubeを作成してきたところで、その内容をノートでも残しておこうと思い、文字起こしの形でやっていってみようと思います。ということでYouTube第一回目に配信した、芍薬甘草湯についてです。
 医療用の漢方エキス製剤には番号が付いています。芍薬甘草湯は68番です。その保険適応は「急激に起こる筋肉の痙攣を伴う疼痛」となっています。

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 筋肉の痙攣となっていますが、その筋肉と言うのは、骨格筋と平滑筋に分けられます。足がつるといった場合には、骨格筋が痙攣を起こしているわけです。しかしこの芍薬甘草湯の面白いところはどちらの筋肉にも効果があるということです。つまり、消化管等にある平滑筋の痙攣も抑えてくれるわけです。ですから、急な腹痛や胆石の発作、尿管結石の痛みなどにも有効な場合があります。
 芍薬甘草湯の生薬構成は、その名前の通り、芍薬と甘草の2種類から構成されています。芍薬と甘草が一緒になって、筋肉の痙攣を抑えて痛みを止めてくれるわけです。芍薬には血を補う役割もあり、甘草には体に潤いを与えるとともに元気付けてくれるといった働きもあります。

スライド3

 この処方を使う対象となるような人は、骨格筋及び平滑筋の急激な痙攣やその痙攣に伴う痛みが起きている人になります。具体的な病気とすると、胆石や尿管結石、筋肉痛や関節痛、こむら返り、間違え、ぎっくり腰、生理痛などが挙げられます。急な痛みの中で筋肉が関係していると思われる痛みには使ってみると良いと思います。
 ただしこの処方は長期間ダラダラ使うといったものではなく、基本的には短期間頓服として使うといった使い方になります。甘草と言う生薬は、体の中に水分をため込み、血液中のカリウムが少なくなっていくと言うことを引き起こす可能性があります。そうなると血圧が上昇したり筋肉に力が入らなくなったりと言う副作用起こすことがあるので、長期にわたってダラダラと服用してはいけないわけです。一方、使用するときには1袋飲んで効果が不十分と思ったら2袋3袋と連続して服用しても良いと思います。
 以上漢方薬の中身の第1回目は芍薬甘草湯についてお伝えいたしました。疑問や質問がございましたら、ぜひお寄せください。Twitterで#鼻メガネをつけてつぶやいていただいたり、hanameganedoc@ymail.ne.jpにメールをいただけたりするとうれしいです。今後の発信内容に反映させていただき行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

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