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タカジアスターゼ

 中学校の理科の時間に消化酵素と言うのを習った。アミラーゼやリパーゼという言葉もその時に習っている。〇〇ーゼと言う響きがなんとも面白く感じられた。
 吾輩は猫である本を読んだのもちょうどその頃。くしゃみ先生が飲んでいる、タカジアスターゼと言う言葉が記憶に残ったのも消化酵素の勉強をしていたせいだろうと思う。

 物語に出てきたのか別の本で読んだのかよくわからないが、その時からジアスターゼと言う言葉と大根が結びついていた。きっと大根の中には、消化を助けてくれる酵素がたっぷりと含まれているのに違いないと思った。

 学生になって時折自炊をしていた。ある時なんとなく胃がもたれるので、大根おろしをする時に出てきた汁を飲んでみることとした。きっと胃がすっきりするのに違いないと信じて、一気に飲み込んだ。

 喉はヒリヒリ、口の中には苦さが広がり、胃の中は大騒ぎ。ちょっと味見してから飲むべきだったとの反省も時すでに遅し。

 調べると,確かに大根の中にはジアスターゼがたっぷり含まれているらしいのだが、汁を飲めと言う記載にはお目にかかれなかった。大根おろしを食べるだけにしとけばよかったですね。

 ちなみに、高嶺譲吉が開発したと言うタカジアスターゼ。漱石の時代、つまり明治時代からあるもので、今もなおお薬の材料として使われている。

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