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ストレスなどで胃が痛むときの安中散

みずおちあたりが痛むといった場合、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、胆石、膵炎、動脈瘤、腸閉塞、心筋梗塞などなど、たくさんの病気の可能性が出てきます。しかし検査をしても異常なしという場合が多いです。異常がないといわれても痛いじゃないか、と不満を感じたら漢方薬を試してみるのも良い考えですよ。

緊張しすぎて胃が痛くなった、などという経験はありませんか。そんなときに選択肢に上がってくるのが安中散(あんちゅうさん)です。症状からは神経性胃炎などと診断される可能性が高いとおもわれます。そんな時は胃酸を抑えるお薬などが処方され、それで症状が良くなることもあります。でも良くならないとき、この安中散ですっと症状がとれるということが起こったりします。安中散という名前の通り、からだの中の胃腸の調子をととのえ安らかにするお薬なんですね。

安中散の保険適応は、「やせ型で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛または腹痛があって、ときに胸やけ、げっぷ、食欲不振、はきけなどを伴う次の諸症:神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー。」ということになっています。

やや体力が落ちているような方に、急性、慢性を問わず、心窩部痛、胸やけ、腹痛があるときに使われます。冷えがあり、食べたものがなかなか消化しないという訴えをされることがあります。体やお腹の中を温めることで痛みを和らげ、気や血のめぐりを良くし、胸やけを押さえてくれます。胃炎などに限らず、腹痛全般に試してみて良いともされます。甘いものが好きな人に効きやすいなどといわれることもあります。また、アニサキスによる急な胃痛に効果があるといわれていますが、私には経験がありません。

OTC漢方薬では、太田漢方胃腸薬Ⅱが、安中散に茯苓を加えた生薬構成になっています。茯苓は、精神安定作用と水バランスを整える作用がありますので、そのあたりを考えて加えてあるのでしょうか。イイラック漢方胃腸薬も同じです。これらは、普通の胃薬と思って服用している方も多いと思いますが、漢方薬なんですね。

医療用漢方薬として148種類が認められています。さまざまな症状に対して、もっと気軽に漢方薬を試してみるとよいと思います。総合病院に通院している方なら、同じ病院で漢方診療をしてくれる医師を探して相談できるとラッキーですね。

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