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桜の珠のロザリオ*金具の交換など

何十年もお祈りを続けてこられたという、桜の珠でできたロザリオです。

金具をすべて新しく組み直し、無くなってしまった最後の玄義のところは、代わりにできるだけサイズが近い紫檀の珠を選ばせていただきました。

珠がなくなったところはボタンを代用したり、切れたところは細い針金を巻いたりしながら、ずっとこの1本を使ってこられたのだそうです。

手に取るとほんとうに温かい気持ちになるロザリオで、どれだけ大切にされてきたかが、写真からも十分に伝わるのではないでしょうか。

今回は、長年お祈りを捧げてこられたからこその風合いをそのまま残せたらと思い、金具の色はあえてアンティークゴールドを選ばせていただきました。

そして、これまでと珠を繰る感触が変わらないようにしたいと思い、珠ひとつひとつの順番や向きを一切変えませんでした。

時間はかかりますが、ひと珠外しては金具を新しくし、そのひとつを繋ぐ…それを繰り返して最後まで仕上げさせていただきました。

そうしていると、なんだかご本人さまと一緒にお祈りしているような気持ちになりますね。

「これで、これからもずっとこのロザリオでお祈りできますね」と、仕上がりをとても喜んでいただけて、本当に良かったです。

大切なロザリオをお任せいただき、ありがとうございました。

かつては長崎の神学校や修道院で受け継がれてきた、手編みのロザリオ「長崎編み」。伝統を受け継いでいけるよう、ひと目ひと目、祈りを込めて編み続けたいと思います。