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パキスタンの世界遺産モヘンジョダロへのアクセス

パキスタンには2023年時点で世界遺産が6つあります。
そのうちの一つ、モヘンジョダロはその中でも最も有名で、世界四大文明のひとつインダス文明の遺跡としてよく知られています。
パキスタンのシンド州にあり、世界史的に重要な遺跡ですが、周辺の治安の状況等により現状では容易にアクセスできるとは言い難い状況にあります。


モヘンジョダロの基本データ

(英語: Moenjodaro / Mohenjo-daro、ウルドゥー語:موئن جو دڑو、シンド語:موئن جو دڙو)
シンド州、ラルカナ地区のモヘンジョダロにあるインダス文明の遺跡。
「モヘンジョダロ」とは現地の言葉で「死の丘」を意味する。

モヘンジョダロ遺跡

アクセス

遺跡のすぐそばにモヘンジョダロ空港がありますが、2023年12月の時点で旅客機の運行はありませんでした。

現状、モヘンジョダロ遺跡へのアクセスは陸路のみとなります。

遺跡の最寄りの街はラルカナ(Larkana)です。この街に鉄道駅とバスステーションがあります。
鉄道はカラチからの直通便の運行はありますが、イスラマバードやラホールからは乗り継ぎが必要となります。
バスは、南のハイデラバードからラルカナを通り、さらに北方面への路線があります。カラチからの直行バスはおそらくないと思います。
ラルカナから遺跡までは約30Km、車で45分〜1時間ほどです。

また、もうひとつ拠点となる街として知られるのがサッカル(Sukkur)で、ラホールのバス、鉄道があり、この街からモヘンジョダロまでかつては車で2時間ほどの距離だったようですが、現在は治安の問題で外国人が観光で訪れる場合迂回路を通る必要があるらしく、6時間ほどかかったとの情報がありました。

ラルカナ、サッカルとモヘンジョダロ周辺マップ

上記のマップのとおり、モヘンジョダロ(橙色)の北にラルカナがあり、北東にサッカル(茶色)が位置しています。

なお、ラルカナの街には鉄道駅(黄緑色)、複数のバス会社があります。
わたしが訪れたときは紫色のバスステーション(ガソリンスタンド)に到着し、出発時は水色のガソリンスタンドからでした。

ラルカナの街マップ

また、わたしの場合はパンジャブ州のバハーワルプールからハイデラバードを経由して訪問したので、ハイデラバードの地図もついでに残したいと思います。
緑色のバス会社のところでバハーワルプールからのバスを下車し、ここからはラルカナ行きのバスはないとのことだったので、赤色、または青色のバス会社に行く必要があるとのことだったので、その通り移動しました。

ハイデラバードのマップ

なお、ハイデラバードの対岸にあるKotriの鉄道駅(橙色)はカラチから北上する鉄道が停車します。
ラホール、バハーワルプール方面からはハイデラバード駅に停車するものもありました。ハイデラバード駅からKotri駅へは近いですが、鉄道の本数はあまりありませんでした。
また、ムルターン、バハーワールプールでは警察により出発手段が決められてしまったので、鉄道を利用する場合は制限のないラホール発か、警察にどうしても鉄道を利用したい旨を申し出れば利用できるかもしれません。
一番楽なのはカラチからの利用だと思いますが。(カラチ発も警察の介入がないため)

ラルカナからモヘンジョダロへのアクセス

ラルカナから遺跡まで車で往復2000ルピーほどが相場のようです。
片道30Kmは他の場所でも1000ルピーほどだったので、3000ルピー以上は高いと思います。

わたしはたまたま、ハイデラバードからのバスで乗り合わせた現地の方のお兄さんが迎えに来ているからということで無料で乗せてもらい、帰りもラルカナまで送ってもらいました。
ただし、モヘンジョダロも警察の管理下に置かれなくてはならないようなので、その後のラルカナの警察署への送り届けの際に面倒をかけてしまいました。

ラルカナのバスステーション

遺跡ではハラッパーや、ロータスフォートなど同様、警察の護衛が必要なようですが、わたしの場合前述の通り現地の方と一緒だったので、彼らと一緒に観光し、遺跡内では警察の護衛はありませんでした。

また、入場料は外国人の場合3000ルピー、またはUSドルで10ドルとなります。
開館時間は9:30~17:30です。

モヘンジョダロ遺跡

参考

わたしの今回のパキスタン旅行のハイライトでもありましたし、ここは訪れている人も少なくはなかったので参考にした記事などもいくつかあります。

1つ目はおそらく一番簡単にモヘンジョダロに行く方法で、カラチから鉄道を使う方法です。
わたしは今回南下するルートだったので利用はしませんでしたが、2年弱前の情報で比較的新しく、またその他のルートについても参考になりました。

2つ目は4年ほど前の情報になりますが、ラホールから一気にモヘンジョダロを目指すルートです。当時とは状況も違いますが、こちらも大変参考になりました。

3つ目は2017年にラホールから鉄道でサッカルまで移動するルートを利用した方の記事です。わたしは治安的な面でサッカル利用は断念しましたが、バハーワルプールからサッカル(〜ハイデラバード)まで鉄道のルートがあるのでこちらも参考になりました。

4つ目はムルターンのところでも参考にさせていただいた方の記事です。2023年2月と日本人の記事の中で見つけた限り最新だったので、この方の記事を読みサッカル利用を断念した経緯があります。

5つ目はロータスフォートのところでも参考にさせていただいた方の記事。2003年ということで20年前の記事ですが、ラルカナから公共交通機関を利用されていました。現在は、遺跡の入り口で外国人はチェックがあるので、行きはともかく、帰りが面倒なことになりそうですが。。。
また、この方もカラチから夜行列車を利用されています。

6つ目はイスラマバード(ラーワルピンディー)からサッカルに移動し、サッカルから車で往復した方の記事です。2019年なので4年前の情報です。この方の記事と4つ目の方の記事の間でサッカル周辺の変化がわかってよかったです。

http://thundergate.jp/koufuku/travel/007/2019.12.14.html

また、ハイデラバード経由のルートは下記から着想を得ました。
意外とtripadvisorの新しい情報がなかったのですが、これを読んでいなかったら、バハーワルプールから一旦カラチまで行ってしまい、カラチから鉄道を利用していたと思います。

https://www.tripadvisor.in/ShowTopic-g293959-i9151-k13216434-Visiting_Mohenjo_daro_from_Sukkur-Pakistan.html

なお、旅行前に中古で手に入れた1993年版のLonely Planetでは、シンド州の治安が最悪だったようで、アクセスは飛行機のみとなっていました。

また、2022年7月発行の地球の歩き方 JOJOにも空路しかアクセスが記載しておらず、パキスタンのページ自体もごく僅かだったので役に立ちませんでした。