ユースキン記念日
夫は医療従事者で、患者さんに直接触れる機会があるため、アルコール消毒がマナーになる前から一日に何度も消毒をしていた。おかげで手はいつだって荒れていて、かさついていない彼の手をわたしはしらない。
この冬の彼の手はいつも以上に荒れていて、手だけみたら荒れすぎて年齢を推測することができないレベルに達した。指先はもちろん、手の甲もかちかちのしわしわ。手首まで赤くなっている。これはちょっと目に余る!ということで「ドラッグストア ハンドクリーム おすすめ」でリサーチ。匂いや美容面は放っておいて実用性重視で、ひびとかあかぎれとか重症のひとに…と調べていると、どのページを開いても出てくる元祖ハンドクリームのユースキン。最近リニューアルされてかわいくなったと噂のユースキン。リニューアル内容をツイッターで紹介していてちょっと気になっていたユースキン。きみに決めた!
最寄りのドラッグストアに勇んで向かい、見つけたユースキンはあたたかい今どきのかわいらしさのあるデザインで、いいぞいいぞ!と早速購入。家に帰って箱を開けたら、説明書はなくて箱の裏側に説明書きが全部あるの、エコだし合理的だし最高〜〜!謎にテンションが上がり、夫にもこれを伝えよう!!と彼が帰宅するまで箱をとっておいて興奮ぎみに説明したのに、帰宅後わたしからその興奮を聞いた彼は一ミリもテンションが上がってないのがウケちゃったし、これがわたしたちの平常運転なのですよねえとひとりで納得したりした。上がったり下がったり忙しいわたしと常にほどほど、一定のテンションを維持する夫です。
夜ご飯を終え、食器を片付け歯磨きを終え、さあ寝るだけ!のタイミングでうきうきのユースキンタイム。彼ががさがさの手を差し出す。たっぷり入ったジャーの黄色いテクスチャにどきどきわくわく指を入れる。あ、なんか信頼できる感触…!特に荒れている部分にぽんぽん乗せてテレビを見ながら徐々に全体へすり込むと、さっきまでのがさがさがどこかへ消えて、べたべたもぬるぬるもなくするりときれいな感触の手が誕生。あのがさがさのお手々はどこへ…!手首から指先までマッサージをしながらひたすらすり込んでいたら「アンパンマン!新しい手よ!!」とでもいいたいくらいの新生ハンドが誕生。感激しすぎて、まだ触れられてないもう片方の手と新生ハンドを並べてビフォーアフターを撮ったけれど、なんかこっちのほうが血色いいかも?くらいの違いしか画面には写らなかった。無念。
もう片方もみるみる生き返っていくのが楽しくて、延々すり込んでマッサージしていたら「そんなにやる??笑」と軽く笑われてしまったのでユースキンタイム終了。あんなにかわいそうだったお手々がちょっと息を吹き返していて、ユースキン様はすばらしかった。元祖には元祖の理由があるねえ、と話し、彼はテレビの続きを眺め、わたしは読書の時間。そして今夜もまた、わたしは念入りなユースキンタイムをたのしみにしている。
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