昼下がりの居間の色
天体ショーでたくさんのひとが同じ月をみていた夜、ごはんをたべていたら下腹部痛がやってきて、今月も概ね予定通りに女性のからだの機能がめぐっていた。
夕方、歯医者からの帰り道で欠けてゆく月をのんびり眺めたし、ごはんをたべながらからだはどこかよそよそしくなってきた。みんながみている天体ショーへの参加はもういいや、とソファでのんびりする。
翌朝、食器の片付けと洗濯物を済ませて、約束していたzoomを1時間。インスタントラーメンをすすりながら朝ドラの再放送をみていたら、若者たちの熱い想いに涙腺がゆるみ、ラーメンと同時に鼻をすすることになってしまった。空っぽになったラーメン鍋のそばにいくつものティッシュのごみ。ちいさなゴミ入れに押し込む。
一昨日最寄り駅においてきてしまった自転車を取りに行くついでに野菜を買いに行きたい気持ちと、からだがよそよそしい女性のしくみ二日目に秋の曇り空が相まってぜんぜん動きたくない気持ち。勝者は秋の曇り空。雲のうすい部分からやわらかく部屋に入るひかりが居間をぼんやりとさせて、2週間前に買ったお花がすこしすんとしてみえるこの空間にまったりと存在したくなってしまった。このやわらかなひかりの中で、重だるくなった身体を丸まって抱え込みながらぼうっとする昼下がりの贅沢さ。あ、一昨日買ったおいしいお菓子もあるんだった。おたのしみ。
もう今日は外に出ないことを決意。くすりを飲むほどでもないほんのりとした痛みを横目に、読みかけの本でも読んで、すこしだけ掃除でもして、秋の水曜日をたのしむことにする。
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