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感想:アウグストゥス/COOL BEAST

宝塚歌劇団 花組
 アウグストゥス/COOLBEAST
 https://kageki.hankyu.co.jp/sp/revue/2021/augustus/index.html


■お芝居アウグストゥスのあらすじ
 ローマ帝国初代皇帝ガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌス・アウグストゥスのお話。
 大叔父(伯父?)で、「ブルータス、お前もか」で有名な、ガイウス・ユリウス・カエサルの凱旋式から始まり、ブルータスの計略や、エジプトとの戦を経てローマ皇帝になるまでを描いた作品。
 
 凱旋式の後、オクタウィアヌス(オクタヴィウス)の屋敷にカエサルとその愛人のクレオパトラや、元老院の面々が招かれ、晩餐会が行われる。そこへ、カエサルと敵対し、敗れたグナエウス・ポンペイウスの娘、ポンペイアが現れて……。
  
 
■感想
 面白かった!
 ざっと、カエサルとオクタウィアヌスだけwikiで読んだ程度で、ろくに予習もせずに観劇したのだけど、正解だった。面白かった~。
 途中、推しの水美舞斗さん(マイティー)の出番が無く、ヤキモキしたけど、ソロのシーンもあったし、かっこいい殺陣など、彼女の見所もたくさんあって安心して見られたので、ちゃんとストーリーもじっくり楽しめた。
 政治、謀略、暗殺など、いわゆる宝塚っぽい作品では無い気がしたけど、最近は今回のような歴史物や、実在の人物とかの重ためのお話も多いので、宝塚っぽく無い、と言うのは違うのかもしれない。と、思ったけど、実際のオクタウィアヌス(アウグストゥス)のやったこととか読むと、宝塚的にずいぶんきれいなお話になっていた。アウグストゥス、離縁しまくりだし、人妻略奪してるし。
 ただ、前回の大劇場公演がは、はいからさんだったと思うので、ずいぶん毛色の異なる花組だったと思う。専科さんも、ショーも含めると三人も出演していて、若いフレッシュな印象の組に重厚感を与えてくれていた。
 
 ショーは、これぞ藤井大介先生!と言う感じのギラギラしたショーだった。
 ダンスが得意なトップさんなのもあるのか、終始みんながみんな踊りまくり。
 マイティーがかっこよすぎて、ずっとオペラで追っていた。席が良くて、マイティーが客席に視線を送ると、ちょうど視線がこちらを向くのだ。いやぁ、もう……。感無量。
 東上主演も8月に控えているし、どんどん押し出しを強くしていって欲しい。ど真ん中で大羽根を背負うマイティーが、心から見たいと思うのです!
 
 
 柚香光さん。オクタヴィウスの優男っぷりが似合っていた。どちらかと言えば、やんちゃな役のイメージを持っていたのだけれど、トップ就任後は、はいからさんの少尉や、ナイスワークのジミーと言った、無自覚なイケメン優男が多かった。私は今までなにを見ていたのだろう……。と、このオクタヴィウスは、優男ではあるけれど、皇帝になるだけの器量と言うか、強さを身に付けていく成長する姿を見せてくれた。髪型や衣裳がとても似合っていてかっこよかった。
 ショーでは、特に、男役としても女装しても、人ならざるもののような妖しいモノとしてのダンスがすごくかっこよかった!
 
 あきらさん!瀬戸かずやさん!ユリウス家出身ではない反骨精神と野心の持ち主、アントニウスのギラギラした感じがすごくかっこよかった!クレオパトラに迫るところとか、情熱的で色気ありすぎで、ダメだよ。お昼の公演よ?いやぁ、もう、算段が外れ、嫉妬に狂い、堕ちていくところとか、最高だった。本当にかわいそうな男だよ。アントニウスは……。でも、演じる側としてはとても、やりがいがあって、嬉しい役なのではないかと思う。敵役ではあるけれど、あきらさんの、宝塚歌劇団最後のお役がアントニウスで良かったな。
 あきらさんは、わたしが宝塚を観始めたころには、すでに活躍していた。大好きな花組オーシャンズ11では、フランク・カットンを演じていて、「ラモーン・エスカランテがいい」と言う色気たっぷりなセリフが今でも大好きです。
 
 華優希ちゃんのポンペイア。存在感と力強さで、華優希ちゃんだと言うことに驚いた。キュートで可愛らしい印象だったので、恨みと復讐心に駆られ、陰に生きるポンペイアの雰囲気と違いすぎたのだ。れい華で組む最後の公演なのに、ラブラブじゃないのも寂しい気もするけれど、娘役が先に退団するからこその、この絡みなのだろうか……。
 はいからさんが通る、は原作が大好きで、あまり好意的に思っていなかったのだけど、観劇したら、ちゃんと紅緒で、紛れもなく紅緒で、観ず嫌いを心の中で詫びたのだ。紅緒や、ナイスワークのビリーのように、キュートな役だけでなく、こんな風に大人な役も素敵な彼女が退団してしまうのはとても残念だけど、今後の活躍を期待しています!
 
 マイティー!!!水美舞斗さん!かっっっっっこいいっ!!オクタヴィウスの親友(と言うか腹心)のアグリッパ。冒頭で賊をやっつける華麗な殺陣を見せ、爽やかな笑顔!ずきゅーん!かっこかわいいっ!
 オクタヴィウスのおねえちゃん、オクタヴィアが好きなのかな~、と思わせる、彼女を見つめる優しい笑顔。アントニウスとの婚約を本心から喜んでいるような晴れやかな笑顔なのに、彼女が現れたときのふわっとした眩しそうな微笑みが、そう思わせるのだ。そんなセリフはどこにもない。そんな素振りもなんにもない。けど、その微笑みが雄弁に語っていると思うのだ。(勝手な個人の感想です)ううっ(´;ω;`)史実ではなく、このお話の未来のアグリッパはオクタヴィアの隣で微笑んでるといいな。
 と、元々繊細なお芝居が上手なマイティー。押し出しが少し控えめで、そこが美点でもあるけど弱点でもあったが、今回は違いますっ!アグリッパでも、ショーでも随分目立っていた。特にショーの、冒頭のせり上がりや、クラブっぽいところのダンスバトル。はいからさんは一本ものだったから、大劇場でのショーは久々。でも、やっぱりショーのマイティーはキラキラと楽しそうで大好き。
 組替えや番手など色々な噂が飛び交い、予測がつかないこの頃だけど、あきらさん退団後、二番目としてトップさんを支え、組子をひっぱる可能性も大きいわけだ。8月の東上公演「銀ちゃんの恋」の銀ちゃんで、更にギンギラギンに輝くマイティーを楽しみにしていますっ!どうか、観に行けますように(*-ω人)
 

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