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【天母30】帝王切開!? 泣いた理由は 

 それは、長女妊娠中のこと。
 周囲からは「鉄人妊婦」と呼ばれていました。
 つわりゼロ、体調不良無し。
 産前休暇に入ってからも、職場にちょこちょこ出入りしては、自分が残した業務をこなして。
 なんなら、来なくなったら産んでると思ってね〜なんて話してるくらいの元気っぷり。
 妊婦検診で問題を指摘されたこともなく、本当に順調に、38週検診に臨みました。
 ところが。
 NST(ノンストレステスト)で胎児の心拍を取ると、何故か消えてしまうのです。
 何度も何度も、位置を変えても、出てこない(心音が聞こえない)。
 助産師さんが心配して、お医者さまを呼びましたが、それでもなかなか捕まえられない。
 やっと聞こえたら、元気いっぱいなのですが、突然消えてしまって、なかなか戻って来ない。
 前回の検診までは、何も問題が無かったので、担当の医師もちょっと悩んでしまわれて。
「とりあえず、もう生まれても大丈夫だし。入院して、この子の様子を観察してみましょうか」
とのことで、入院が決まりました。
 初産ということで、色々教科書通りに準備はしてましたので、入院自体は大変スムーズではあったのですが。
 毎日NSTを繰り返し測定するのに、毎回毎回本当に急に消えて沈黙……唐突に元気な拍動。
 私自身は、それが何を示しているのか全く理解していなかったので、気まぐれなコドモなのね〜くらいに思ってたのですが。
 入院してもうすぐ1週間、というところで、医師から説明がありました。
「赤ちゃん、もしかすると出たがってるのかもしれないですね。陣痛も子宮口の開きもないので、明日帝王切開にしましょう」
……………ん?? ていおーせっかい、ですか?
 いやいやいやいや、聞いてません、想定してません、それは無しです、ありえないです。
 脳内大パニックなのに、そうは見られないのが私の性分で。
 決定事項として、ご主人にもお話ししましょうね、と。
 ああ、はい、ヨロシクオネガイシマス。
 もはやそれ以外言いようが無いまま、自分の病室に戻ったところで。
 顔なじみになった妊婦さんに、どうしたの? と声を掛けられて初めて、涙がこぼれました。
 帝王切開…………切られたくないっ! 怖い怖い怖いっっ!

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道産子の津軽在住2児の母。登校拒否長女との日々雑感と、しあわせに生きる”ちょこぽじ”のススメ。